ガネーシャルームシューズが出来るまで Vol.5

無事飛行機に乗ってネパールを出発した10,000足のルームシューズは一旦成田空港に降ろします。
当店のある宮城県にも仙台国際空港がありますがそれだけの貨物を載せられる大きさの飛行機が飛んでいません。
なので成田に一旦降ろし通関後トラックで夜通し走り朝一番で宮城県にあるボクらの倉庫へ届けてもらいます。
スタッフ総出で荷下ろし。ウールがぎっしりなので一箱が重ひー!

ニュージーランド から始まりインドへ。そしてネパールでガネーシャ・ルームシューズ・スリッパとなり遥々海を超え2万キロを旅して日本へ到着!やっとボクらの出番がやって来ました!
沢山の人の手を借りて繋いできたバトンが渡された瞬間です。

先ずは検品!
バイヤーすがっちがなにやら細かい作業をしています。コレは何をしているかと言うとですね「ワラ」を取っています(笑)
ここまでの工程を見て頂ければお分かりの通り気の遠くなるようなハンドメイド。化繊など入り込むスキはありません。
もちろん刈り取った後の羊毛は洗浄済みですが時々ヒツジさんの毛に絡まったワラが混じってるんです。
ホントに小さ~いの。それを取り除くと言う日本に到着しても呆れる程のハンドメイドっぷりなのです。
「ワラが付いてるぐらいの方がリアルで良い!」と言うお客様もいれば「ゴミが混じっているから返品したい」と言う方もいらっしゃいます。
なんとも辛抱強い作業ではありますがこの部分を疎かにすることは商品を気持ちよく使っていただく上で欠かせないのです。

1足ずつブラシをかけて表面を再度整え袋に詰めて当店のロゴの入ったステッカーをペタリ。
学校から事務所に帰ってくるウチのボーズも否応無しにお手伝い。
これでやっと全ての工程が終了です。お客様にお届けする準備が整いました。

出荷開始のゴング!1日数百件を超える出荷をスタッフ4人でこなします。現場は正に鉄火場。
実はこの倉庫に到着してからの検品や袋詰め作業もネパールでやろうかと言う現地からの提案もありました。
もちろん全ての工程がネパールで完結すればボクらは大助かり。売ることに専念出来ます。
でもね。こうしてスタッフ全員が手を掛けるからこそ生まれるものもあるんです。
一番は商品に対する愛情や責任。これが根本から変わります。
ボクらが取り扱っているいる商品は「アジアの人達が一生懸命に手を動かして作られたもの」効率だけを求めてはいけない作業がボクら雑貨屋には沢山あると思っています。
ある時現地のボス「ラムジーさん」からルームシューズの売れ行きを心配する電話があった時のことです。
「いやー検品と袋詰めが大変で中々終わらないよ」 世間話の流れで何気に交わした会話です。
ラムジーさんは画面の向こうでニコッと微笑むと一言こう言いました。
「作るのはもっと大変だぞ」
その言葉を聞いてボクはとても恥ずかしくなってしまいました。一体現地で何を見て来たのでしょう?
そうなのです。ネパールのオバちゃん達は春先から半年もの間来る日も来る日も休みなく手を動かし作り続けてくれたからこそ目の前にルームシューズがあるのです。
それはここまでご紹介して来た通り気の遠くなるような手作業です。検品や袋詰めで根をあげている場合ではありません。
スタッフと一緒に倉庫で作業をしながら現地の様子を話すのがとても大事だと思っています。
