ガネーシャ・サボサンダルが出来るまで Vol.6
甲のメッシュ部分を編むサボちゃん村の網手を束ねるマオ婆ちゃんがこちらです。
手に持っているのはボクが車内でチェックしていた皆さんから頂いたメッセージのコピー約100枚。
その後ろに見えるのが編み上がったサボサンダルの甲のメッシュ部分です。

久しぶりの再会です。マオ婆ちゃん!変わらず皆んな元気にしてた!?なんてお互いの近況を報告しつつ早速お客さんから届いたメッセージを持って来たことを伝えます。

皆んなの手の事を心配している人がいるよ。生活が少しは楽になったか気にかけてる人もいるね。
この人は婆ちゃんとこで編んだ素材で作るサンダルが大好きだって。

時に面白おかしく脚色しながらメッセージを伝えている内に何だか2人して泣けて来ちゃって。
ボクと婆ちゃんだけじゃなく沢山の「人」の想いが混じり合ってポロポロ2人で泣いちゃって。

あぁ。やっぱり来てよかったなって。こうして婆ちゃん達の顔見れて良かったなって。サボちゃんが大好きなお客さんのちょっとした気遣いや想いを伝えられて良かったなって。心からそう思いました。
マオ婆ちゃんは昔色々騙されたりして最初は編んでくれって言っても中々うんって言ってくれなかったのです。
「分かった。じゃ先ず顔見せに行くから。それで一度話をして決めてよ!」
そこから始まりサッポロ一番を担いでカンボジアの村を訪ねた時は皆んなビックリしてたし喜んでくれたし半分呆れてたかも知れません。
なんたって日本人なんか見たことないし行くって言って本当にやって来たのはボクらだけだって(笑)

ボクらが扱うエスニックなハンドクラフトを作るアジアの現場はどこだって人と人。
そうやって薄い紙を重ねるように毎年少しずつ少しずつ信用信頼を築いて来ました。契約書一枚で「それじゃよろしく!」が通用しないのです。
国もロクに信用してない人達にそんな紙切れなんかどうでも良いみたい(笑)
何かあった時でもね「ガネーシャがそう言うなら頑張ってやってやるか!」信用とかさ信頼ってコレですよね。
そのためにボクらは現場を大事にします。現場に足を運び顔を合わせることがどれだけ大切かよく分かっているつもりです。

前回も書きましたが不当な中間搾取をされないように賃金は直接婆ちゃん達に支払っています←ここ超大事!!!
そう言えばあの時ポロポロ涙が出たのは何でだろう。お互いウソひとつつかずに真っ直ぐな付き合いだから涙が溢れたのかも知れません。
「正直な商売」当たり前の事だけどとても大事だとこうして現場に足を運ぶ度に思います。
ガネーシャ・サボサンダルが出来るまで Vol.7さっきまで泣いたり笑ったり楽しげに話をしていたマオ婆ちゃんが仕事の話を始めると突然険しい職人の顔に。ベテランのマオ婆ちゃんを相手に一歩も引かないバイヤーすがっちもやっぱり険しい表情([…]
