ネパールは、人々が穏やかでチベット文化の影響を受けた魅力あふれる国です。
一方で、デモや停電、交通の混乱、観光地でのスリや詐欺、山岳地帯での高山病など、独特のリスクも存在します。
しかし、危険ばかりが強調されがちですが、実際は十分に旅を楽しめる国です。
ボク自身20年以上ネパールを訪れていますが、危険を感じたことは一度もありません。
大切なのは「リスクを知り、対策をしておくこと」。それが一番の安全策です。
・ネパール全体の治安傾向
・旅行者が遭遇しやすいトラブルと回避方法
・カトマンズ・ポカラ・ルンビニなど都市別の治安事情
・女性旅行者が気をつけたいポイント
・実際に体験したトラブルや医療エピソード
・安心して旅をするためのチェックリスト
読み終えたときには、不安より魅力の方が大きいと感じてもらえるでしょう。
ネパール全体の治安傾向
「ネパールは治安が悪いの?」と不安に思う方は多いでしょう。
実際にボクが何度も訪れて感じたのは、ネパールは必ずしも「危険な国」ではないということです。ただし、旅行者を狙ったトラブルは確実に存在します。
特にデモ(バンダ)、停電や交通の混乱、観光客へのスリや詐欺、山岳地帯での高山病など、ネパール特有のリスクを理解して備えることが安全への第一歩です。
首都と地方の違い
カトマンズやポカラの都市部は観光客が多く、スリやぼったくりの温床になっています。
一方で、地方の村や山岳地帯では人々が親切で安心できることが多いです。ボクはトレッキング中、村の人に紅茶をご馳走になったこともあります。
昼と夜の治安
昼は賑やかで比較的安全ですが、夜になると街灯が少なく真っ暗な通りも多いです。
タメル地区で夜に歩いたとき、昼のにぎわいが嘘のように消え、不安を感じました。夜間の一人歩きは避けるべきです。
旅行者が狙われやすい場所
・トリブバン国際空港
・カトマンズのタメル地区
・ポカラのレイクサイド
・観光地や寺院周辺
・長距離バスパーク
これらはスリや客引きが多発するスポットです。特に空港到着直後は狙われやすいので注意しましょう。
犯罪統計と安全レベル
外務省はネパール全土を「レベル1:十分注意」に指定。渡航禁止ではありませんが、デモやバンダが頻発するため行動が制限されることもあります。
旅行者が遭遇しやすいトラブル
空港・バスターミナル
空港タクシーで「メーターが壊れている」と言われ高額請求された経験があります。
荷物を勝手に運ばれ「チップ」を要求されることもあります。
対策:公式カウンターや配車アプリを利用すること。毅然と断る勇気が必要です。
観光地
ダルバール広場では「ガイド」を名乗る人にしつこく付きまとわれました。
ルンビニでは僧侶を装った人に花を渡され、後で「寄付」を求められる詐欺も有名です。
対策:ガイドは公式窓口で。寄付は無理に応じないこと。
街歩き・移動中
タメル地区でリュックのファスナーを開けられそうになったことがあります。
また、ローカルバスでは座席下に置いたバッグが消えるケースもありました。
対策:バッグは前がけ。夜はローカルバスを避けること。
水・食事・健康リスク
ポカラで氷入りジュースを飲んで腹痛になったことがあります。停電で冷蔵庫が止まり、食品が傷んでいたのでしょう。
対策:・封が開いていないペットボトルを確認
・氷や生野菜は避ける
・加熱したての料理を選ぶ
ネパールの観光ビザの延長方法についても記事を書いています。参考ください。
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都市別の治安と注意点
カトマンズ
タメル地区は観光客が多く、スリや詐欺が多発します。
「ホテルは閉鎖した」と言って別の宿に誘導する詐欺も体験しました。
また、パタンやバクタプルでも観光客狙いのぼったくりタクシーが多く、夜は真っ暗で治安が悪化します。
スワヤンブナート(モンキーテンプル)
猿に食べ物を奪われたり、噛まれて怪我をするケースがあります。
狂犬病のリスクがあるため、野生動物には近づかないこと。
ポカラ
レイクサイドはリゾートエリアですが、夜は酔った旅行者が狙われます。
湖周辺の小道は暗く、観光客を狙った強引な客引きもあります。
サランコット展望台周辺は夜明けの観光で混雑し、スリが発生することがあります。
チトワン
ジャングルサファリで象やジープに乗るツアーがありますが、詐欺業者も存在します。
「象に乗れる」と言われて料金を払ったのに、結局散歩だけで終わったケースもあります。
ルンビニ
宗教的にデリケートな場所。僧侶や信者を装った人に寄付を迫られることがあります。
無断撮影もトラブルの原因になります。
トレッキングの安全対策
ネパール最大の魅力はヒマラヤトレッキング。しかし安全リスクは多いです。
ソロ禁止の背景
過去には単独で歩いて行方不明になった旅行者が多数いました。これを受けて現在はソロトレッキングは禁止です。
高山病のリスク
ボクはエベレスト街道で3,000mを超えたところで頭痛と吐き気に襲われました。典型的な高山病の症状です。
酸素や下山で回復しましたが、無理をして登れば命に関わります。
ガイドやポーターの雇用
相場は1日20〜30ドル程度。信頼できる旅行会社で雇うことが重要です。
必須装備
・防寒着(ダウンジャケット)
・登山靴
・浄水器や浄水タブレット
・常備薬
・懐中電灯
・モバイルバッテリー
健康と医療リスク
・狂犬病:犬や猿に噛まれたら即病院へ。ワクチン接種が推奨されます。
・デング熱・日本脳炎:雨季に流行。虫除けと蚊帳が必須。
・旅行者下痢:屋台の生物やカットフルーツは危険。
・停電・断水:食品の衛生状態が悪化する原因に。
医療体制は地方では脆弱。カトマンズのCIWEC ClinicやGrande Hospitalは外国人向けに評判です。
ネパールは医療面に不安を抱える国です。
大きな手術が必要な場合、インドなどにへり搬送の場合もあります。
海外旅行保険でヘリ搬送をカバーできるプランは必須です。
女性旅行者が気をつけたいこと
・露出を控えた服装(チュニックやスカーフ)
・夜間は配車アプリを利用
・ホテルは女性レビューを確認
・声をかけられたら「ノー」とはっきり言う
・女性専用ドミトリーを利用する
「どこに泊まっているの?」など不躾な質問をされることがあります。はっきりと断る姿勢が必要です。
体験談|ネパールは停電が多い国
ボクの定宿は旅行者の大分メル地区にあります。
もう何年も前から変わらぬ名物としてネパールの停電があります。
5分で復旧する時もあれば、半日回復しないこともザラです。
このためスマホのモバイルバッテリーは必須です。
渡航前に必ず日本で購入してください。
現地でも手に入りますが粗悪なコピー品が出回っています。
緊急時の対応と連絡先
・警察:100
・救急車:102
・消防:101
・ツーリストポリス(カトマンズ):01-4247041
・在ネパール日本大使館:01-4526680
行動フロー:
1. 安全確保
2. ホテルやガイドに相談
3. 大使館や保険会社に連絡
4. 領収書を保管
安全に旅を楽しむチェックリスト
・SIMやeSIMを準備
・配車アプリを活用
・財布やスマホを分散
・夜間の一人歩きを避ける
・海外旅行保険に加入
・整腸剤や経口補水液を常備
・懐中電灯やヘッドライト
・虫除けや蚊帳
・トレッキング装備
・パスポートと保険証のコピー
・現金を分散
・モバイルバッテリー
最新の治安トピック
・2025年9月、カトマンズで大規模デモが発生し、観光客が足止めされました。
・2023年ポカラでYeti Airlinesの墜落事故。乗客72人中71人が死亡し、安全性が議論されました。
・2015年の大地震以降、建物の耐震性が課題となり、防災意識が高まっています。
まとめ
ネパールは「危険すぎる国」ではありませんが、スリや詐欺、デモや自然リスクは存在します。
通信手段を確保し、夜間の一人歩きを避け、保険に加入することで安心度は格段に上がります。
不安を正しく理解し、ヒマラヤの魅力を安全に楽しんでください。
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