カオサン通りとボクの30年|2025年に見た旅人の交差点

カオサン通りは「バックパッカーの聖地」なんて呼ばれています。

でもボクにとっては、ただのご近所の騒がしい通り(笑)

エスニック雑貨のバイヤーとして30年近く、この通りを見てきました。

2025年のカオサン通りは完全復活。

夜になると人の波で埋め尽くされ、世界中の旅人がビール片手に楽しんでいます。

今はカオサン通りから徒歩10分のアパートに住み、昼は仕入れ、夜は街の喧騒を横目に暮らしています。

この記事では、ガイドブックとは違う切り口でカオサン通りを書きました。

かつて朝まで騒いでいたバックパッカー世代にはきっと懐かしい場所。

これから行く人には「油断するなよ」っていう心構えを少しだけ伝えたい。

カオサン通りは、これまでも、そしてこれからも。

あなたの旅を受け入れてくれる場所なのです。

 

カオサン通りとは?旅人が集う理由

カオサンロード

バンコク旧市街の片隅にある、わずか400メートルほどの通り。

それがカオサン通りです。

小さな通りなのに「世界中の旅人が集まる交差点」とまで呼ばれるのはなぜか。

理由はシンプルで、ここに旅に必要なものがすべてそろうから。

・バックパッカー向けの安宿
・路地裏の屋台とストリートフード
・怪しげな旅行代理店やビザサービス
・夜遅くまで開いているバーとクラブ

到着したばかりの旅人も、次の国に向かう途中の旅人も、必ず一度は足を運ぶ。

カオサン通りはそんな「旅のハブ」なんです。

そして最大の魅力は、人との出会い。

ボクも、カオサンで出会った欧米人の旅人とビール片手に夜を語り明かしたなんていうのは日常茶飯事。

お互いの行き先の情報を交換の場でもあるのです。

言葉なんて片言で十分。

カオサン通りの夜には、国境も文化も超えて「旅人」という共通項だけで繋がれる不思議な力があります。

30年の変遷|ボクが見てきたカオサン

カオサンロードのトゥクトゥク

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90年代の素朴な頃

初めて訪れた90年代のカオサンは、猥雑で怪しげなな安宿街でした。

1泊200円くらいの安宿に泊まり、通りにはギター弾きながら歌う旅人がいたり。

観光地というより「旅人の村」って感じ。

観光客増加で変わった空気

2000年代に入ると様子は一変。

バックパッカーだけでなく観光客がどっと押し寄せ、クラブや派手なバーが増えました。

かつての泥臭い雰囲気は薄れ、観光スポットへと姿を変えていったのです。

コロナ禍のゴーストタウン

2020年のロックダウン。

あの衝撃は今でも忘れられません。

昼間でも自転車で通れるほどガラガラ。

カオサン通りを歩いているのが、日本人のボク一人だけだった日もありました。

あのときは「聖地」というより廃墟でしたね。

2025年の完全復活

そして現在。

コロナ禍を乗り越えたカオサン通りは、再び旅人を引き寄せています。

欧米の若者、アジアからの観光客、日本人も戻ってきました。

昼はほどほど、夜はカオス。

爆音の音楽に冷えたビール、屋台の煙、そして甘ったるいマリファナの香り。

30年見てきたけど、やっぱりカオサンは旅人を惹きつける不思議な磁力を持ってます。

カオサン通りへのアクセス

カオサン通りは、バンコクで最寄り駅がないエリアにあります。

地図を見て歩いていけそうに思えても、実際に炎天下で挑戦すると汗だくで後悔する人も。

ここでは実体験を交えて、代表的なアクセス方法を紹介します。

タクシー・Grabで行く

一番手軽なのはタクシー。

中心地からなら渋滞がなければ30分ほどで到着し、運賃は200〜300バーツ前後。

ただし運転手によっては遠回りされたり、メーターを使わなかったりすることも。

そんな時に安心なのがGrab。

アプリで事前に料金が分かるので、余計な交渉をせずに済むのが魅力です。

ボク自身も普段はGrabを使うことが多いです。

バスで行く(上級者向け)

路線バスもカオサン通りへ行く手段のひとつですが、観光客にはハードルが高め。

車内放送もなく、停留所も分かりづらいので、慣れていないとかなり不安になります。

ただ、地元の人に混じって小銭を握りしめて乗るバス旅は「バンコクに溶け込んだ感覚」が味わえるのも事実。

挑戦するなら、ある程度タイに慣れてからの方が良いです。

船で行く(おすすめの冒険ルート)

ボクが個人的に好きなのは船で行く方法。

タクシーより時間が読めるし、ちょっとした冒険気分が味わえます。

チャオプラヤー川ルート

・BTSサパーンタクシン駅を降りる
・直結のサートーン船着場からエクスプレスボートに乗船
・プラ・アーティット船着場(N13)で下船
・そこから徒歩10分でカオサン通り

エンジン音と川風に包まれ、タイ人たちと肩を並べて船に揺られる。

その瞬間こそ、バンコクの日常に溶け込む体験です。

運河ルート

・サーイセン運河ボートに乗船
・終点のパンファー船着場で下船
・民主記念塔を抜けて徒歩15分でカオサン通り

ボクは仕入れで、カオサン通りからプラトゥナームやボーベー市場に行くときによく使います。

特に最近は、バンコクのあちこちで鉄道工事をやっていて酷い渋滞。

運河ボートは渋滞知らずの頼れる移動手段になっています。

夜のカオサン通り|旅人が集う舞台

カオサン通りの夜のバー

カオサンは昼と夜でまるで別の顔を見せます。

夜8時を過ぎると、通りは人で埋め尽くされる。

左右からは爆音の音楽、通りの真ん中では酔っ払いが踊ってる。

あちこちの店で冷えたビールの瓶が次々と空いていく。

ボクは30年ここに通ってるけど、やっぱり夜のカオサンは唯一無二。

世界中の旅人が同じ空間で笑い、歌い、騒ぐ。

言葉も国籍も関係ない。

そこにあるのは「旅をしている」っていう共通点だけです。

カオサン通りの宿泊事情

ボクが通い始めた90年代、宿泊は安宿一択でした。

1泊200円でファンだけの部屋、シャワーとトイレは共同。

ところが今は状況が一変。

バックパッカー向けのゲストハウスは残りつつも、ブティックホテルや中級ホテルが増えました。

「カオサン通りに泊まるか、それとも少し離れたエリアに泊まるか」

ここは悩みどころですが、夜のカオサン通りを体験したいなら通り沿い。

落ち着いて眠りたいなら徒歩圏の路地裏ホテルがおすすめです。

カオサン通りの治安とリアルな注意点

カオサンロードのトゥクトゥク

楽しい反面、油断すると痛い目に遭うのがカオサン通り。

心構えひとつで、その夜は最高の思い出に変わります。

観光客が巻き込まれやすいトラブル

軽犯罪がメインですが、どれも未然に防げます。

・スリや置き引き
・客引きによる高額請求
・ドラッグの勧誘

ボクも実際に、スリや置き引きにあった旅行者を何度も見てきました。

夜遊びで気をつけるべきこと

「ちょっとだけ」と思っても、気づいたら朝まで飲んでるのがカオサン。

でも深夜の裏路地は危ない。日本の感覚で一人歩きするとカモにされます。

あとドラッグの勧誘は絶対スルー。

安易に手を出すと命取りです。

ボクが守ってきたシンプルなルール

・財布はズボンの後ろポケットに入れない
・持ち物は身体から離さない
・トラブルになりそうなら“関わらない”

ボクもこの30年、大小さまざまなトラブルに見舞われてきました。

しかし些細なルールを守るだけでその確率はグンと下がります。

油断するとエライ目に遭うんですよ!詳しくはこちらに書いてます。

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カオサン通りの夜のバー

バンコク生活とカオサン通り

カオサン通りでギターを弾く男

徒歩10分の距離感

ボクは今、カオサンから歩いて10分のアパートに暮らしています。

昼間は静かなローカルの下町、夜になればあの乱痴気騒ぎ。

生活と非日常が共存しているのが面白いんです。

バイヤーとしての視点

カオサンは観光客の街だけど、バイヤーとしては市場の変化を見る場所でもあります。

かつては山岳民族の布やハンドメイド雑貨が軒を連ねていたけど、再開発や規制でずいぶん減りました。

でも裏路地に入れば、まだ昔ながらの商売が息づいている。

そこにボクは惹かれるんです。

カオサンの意味

カオサン通りはボクにとって、仕事と旅の交差点。

ここから旅が始まり、またこの通りに戻ってくる。

インドに行っても、イスタンブールに行っても、エジプトに行っても。

やっぱりここカオサンの原点に戻る。

だから30年経った今も、この街から離れられないんです。

よくある質問|カオサン通りQ&A

Q. 空港からカオサン通りへはどう行くの?
A. タクシーが最も便利で約400〜500バーツ・1時間。安いのはS1バス(60バーツ)。鉄道ならARLでパヤタイ駅→タクシー。船はBTSサパーンタクシン直結サートーン船着場→プラアーティット桟橋下船、徒歩10分。
Q. ソロ旅行でも安全に歩ける?
A. 観光客が多く比較的安全。ただしスリ・置き引きに注意。深夜の裏路地やドラッグの誘いには関わらないこと。
Q. 夜は何時まで楽しめる?
A. 屋台は深夜0時ごろまで、バーやクラブは朝方まで。夜が最も賑わいます。
Q. 食事や飲み物の物価はどのくらい?
A. ビール小瓶80〜100バーツ、パッタイ50〜70バーツ。2025年の観光地相場として妥当。
Q. 宿泊はどんな感じ?
A. ゲストハウスは1泊500バーツ前後から。中級ホテルも徒歩圏に多い。通り沿いは賑やか、路地裏は静かに休めます。

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まとめ|なぜカオサンは旅の聖地であり続けるのか

カオサン通りの夜

カオサン通りは、ただの観光地じゃありません。

30年見てきたボクが断言します。ここは「旅人の縮図」です。

コロナで死んだような時期もあったけど、また蘇った。

それはカオサンに、旅人を惹きつける力があるからです。

これから訪れる人には伝えたい。

「夜のカオサンは楽しいけど、油断は禁物。」

「安全に楽しめば、一生忘れられない夜になる」

カオサンは、これからも世界中の旅人を受け入れ続けるでしょう。

そしてボクもまた、この街の片隅からその姿を見続けるつもりです。

カオサンは人を試す場所でもあり、包み込む場所でもあります。

騒がしさも、怪しさも、危うさもひっくるめて、それがカオサンの魅力。

もしあなたがこれから訪れるなら、どうか怖がらずに飛び込んでみてください。

財布の紐だけはしっかり締めるのを忘れずに(笑)

あとは肩の力を抜いて、世界中の旅人たちと同じ時間を楽しんでほしい。

「一晩のカオサン」が、あなたの旅を大きく変えるきっかけになるかもしれません。

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