インド人は手強い!それでも憎めない20年間の戦い

「インド」という言葉を聞くだけで、胃の奥がキュッと締めつけられるほど、正直インドが大の苦手です。

エスニック雑貨屋を営んでいる身としては、ちょっと矛盾しているかもしれませんが、ボクは「インド人との仕事」が本当に大嫌い。

なぜなら、いつも何かしらトラブルが起きて、揉めに揉めまくるのです。

20年以上、毎回挑戦してはインド人にやられてきた…そんな激戦の歴史があります。

今回は、そんなボクが毎年繰り返す“インド人との闘い”の裏側と、倒し方についてリアルに語ってみます。

 

インド人はなぜこれほど手強いのか

哲学者みたいな顔のインド人

ボクはインドとの付き合いが20年以上になりますが、インド人はへこたれません。

絶対に謝らないし、納期なんてただの気休め。

遅れたところで「ノープロブレム・マイフレンド」とこう返って来ます。

もうこの時点で正気の沙汰ではありません。

そしてなんと言っても「悠久の時」が流れています。

24時間、何百年も火を絶やさず火葬を続けコレラ菌さえも生きていけないガンジス川も流れています。

炎に包まれる遺体の前で、ピースサインをして自撮りをしたりしています。

あまりの事に思わず遺族に聞いたことがあります。

「あなたは悲しくないのか?」と。

ニコニコのインド人は答えてくれました。

「肉体から魂が開放されたんだ。こんなに素晴らしい日は無いじゃないか!」

そう言って燃える遺体をバックに角度を変えて自撮りを続けます。

いいですか?同じ地球に住む人間ですよ?

インド人を相手にする場合「根本からアタマの中の構造が違う」と言うことを肝に銘じて対峙しなければなりません。

インド人の価値観に振り回された実際のエピソードは、こちらの記事でも詳しく書いています。

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インドの陽気なサドゥー達

戸惑いの連続だったインド英語との出会い

インドのチャイ屋の男達

始めてインド英語を耳にする方はまず英語に聞こえません。

ぇ?何語?とアタマの中が真っ白になり笑ってしまうほど聞き取れません。

原因はインド人特有の「R」を全て発音する早口の巻き舌英語です。

慣れるまでは戦うどころか「ヒングリッシュ」と呼ばれる英語に聞こえないインド英語に、じっと耳を傾けながらあなたの意識は遠い宇宙を彷徨うことになります。


時間や納期を守らないインド人の価値観

バラナシの路上の物売り

日本人は真面目で勤勉な民族なので、時間や納期を守ろうと努力します。

ましてや、仕事上で交わした約束事は絶対と言っていいほど守ります。

「約束を守らないと相手に失礼」と言う感情が普通にありますよね?

インド人にはそう言った考え方は一切ありません。

「オマエは人に迷惑を掛けて生きるのだから人を許すことを覚えろ」

有名なインドの教えですが、日本人と考え方が根本的に違うのです。

彼らは悠久の時の中で生まれ、その中で生きている民族です。

時間がどうとか納期がどうとか。

そんなことは大したことではないのです。

そして厄介な事に時間や納期を守らない上「出来ないことも出来る」と言い張ります。

それで何度酷い目にあったことか。

一体なんなんだインド人って( ꒪⌓꒪)

論戦に持ち込まれると日本人が勝てない理由

インドの通り

早口で巻き舌のインド英語でまくし立てられたら手も足も出ません。

彼らはアレがダメならコレと言った様に、2枚舌どころか3枚も4枚も饒舌な舌を持ち、手綱を緩めず容赦なく襲いかかって来ます。

論戦でボロボロにされた上いつの間にか納期を割ったインド人の言いなりになり、ホテルの部屋の天井でカタカタと音を立てて回る扇風機を眺めながら涙を流すのが関の山です。

インド人は「言ったもん勝ち」的な一面があり、一瞬でも怯んでスキを見せればあっという間に攻め込まれます。

彼らは押しが強く諦めると言ったこともありません。

例え自分がどんない不利な状態に陥ったとしても、持ち前の押しの強さとしつこさで必ず場面をひっくり返して来ます。

と言うかこっちはもうヘトヘトでそう成らざるを得ないのです。

そんなインド人が本当に嫌いです。

インド人との議論は極力避けましょう。

それがあなたが人間としてのアイデンティティを保つための最良の策です(笑)


20年の経験から学んだインド人との仕事術

ジョードプルのインド人デザイナー

精神衛生上仕事ではインド人と関わらないのが得策です。

もし関わる場合は「日本的な考え方は一切通用しない」と言うことをしっかりアタマに叩き込んで下さい。

時間や納期は出来るだけ余裕を持って伝えましょう。

いいですか?

10月にオーダーした洋服が2年後の3月になってもまだ全て届いてないんですよ?

ちょっと悔しいので聞いてもらっていいですか?

頼んだのは冬物です←

これは極端な例かも知れませんが「そう言う事が起こるのがインド」と言うことを理解しなければなりません。

両手を固く握りしめキツく目を閉じ、口を真一文字に結んで自分に言い聞かせるのです。

一番良いのはそうなる前に現地に張り付き、始終顔を出しては進捗を確認すると言うことですが、ここでも落とし穴があります。

「全て上手く言っているよ。パーフェクトさ」などと言うインド人の戯言を真に受けてはダメです。

現場を確認せず案の定納期割れをし、歯ぎしりをしながら眠れぬ夜を過ごした日本人は数しれず。

どんなにインド人が嫌がろうと、頑として譲らす現場に顔を出すのが本当に大事。

例えどんなに面倒でも「必ず自分の目で確認すること」が、インド人と仕事をする上で大切なポイントになって来ます。

ここ本当に大事なので絶対に覚えておいて下さいね。

ボクなりに見つけた“インド人の倒し方”

昼寝をするブロックプリント職人

ボクはまだ冬物の衣料品問題の渦中にあり、今でも毎日のようにWhatsAppでチャットなり電話なりで連絡と言うかインド人と怒鳴り合いを続けています。

なんにせよ相手はインド人です。

共にインド人と戦おうとしている方。

もしくはボクのように戦いの渦中にいる方に、一番大事な事を伝えさせていただきます。

絶対に諦めない

マジです。本気です。ウソじゃないです。

ココロに深く刻み、忘れないで下さい(笑)

諦めない上で、次々とパンチを繰り出して行かなければインド人を倒すことは不可能です。

例え膠着状態に陥ったとしても。

前の晩に「Fの付く汚い言葉」で罵りあったとしても。

夜が明けお天道様が登ったら、息をするように「Hello」とメッセージを送り戦いのゴングを自ら鳴らす。

これが出来て始めてインド人と同じリングに立てるのです。

「このインド人を倒すまでオレは絶対にリングを降りない!」

そうインド人の前で神に誓い、相手にも高らかに宣言しましょう。

インドには1億もの神様がいるからきっと誰か一人ぐらい味方に・・・なんて甘い考えではいけません。

インドの神様はインド人の味方です。

なぁに。心配は要りません。

こっちだって「八百万の神様」を背負ってリングに立っているのです。

国の威信を掛けた総力戦ぐらいの気持ちでOKです。

ボクは常に日の丸をココロに掲げ大嫌いなインド人と戦っています。

インド人に「めんどくさいヤツ」と思われるぐらいで丁度いいのです。

粘り強く決して諦めずパンチを繰り出す以外インド人に勝てる方法はないのですから。

今日も力一杯ファイ!!!!


まとめ|それでも憎めないインド人という存在

インドの陽気なサドゥー達

一緒に仕事をするには、その商習慣や性格の違いから出来れば避けたいインド人。

しかし人を惹きつけてやまないンドと言う国を形作っているのは「インド人」なのです。

仕事を抜きにすれば、常に好奇心旺盛でフレンドリー。

そしてお茶目な一面も持ち合わせている愛すべき国民性です。

ボクはインド人と仕事をするのは大嫌いです。

しかしインドと言う国そのものは、エキサイティングでとても魅力のある国だと感じています。

仕入れの合間に趣味で写真を撮っているのですが、インド人ほど生き生きとした表情や仕草を見せてくれる人々をボクは他に知りません。

全く見知らぬ人でも気軽に声を掛けてくれる。

困っていればお節介なほど手を差し伸べてくれる。

懐っこくてあっという間に友達になれる。

不可能だと思う場面でも「大丈夫だよ」と笑顔で応じた後で大問題を起こしてくれる(笑)

ボクはインドがずっと苦手な国でしたが、大嫌いなインド人と対等にリングで殴り合いが出来るようになり大分考え方が変わって来ました。

これは危険な兆候です←

なんだかんだ言っても、ボクはインドが大好きなのかも知れません。

まとめ|20年経っても“インド人は手強い”という結論

20年以上インド人と付き合ってきて、何度も「もう二度と関わるものか」と心に誓いました。

謝らない、納期を守らない、論戦に持ち込まれれば必ず押し切られる。
日本的な常識はことごとく通用せず、こちらが消耗するばかり。

それでも、気がつけばまたインドに足を運んでしまうのです。
仕入れ現場で汗をかき、トラブルに振り回され、夜には天井の扇風機を見つめながら頭を抱える。
それでも翌朝には「Hello」とメッセージを送り、再びリングに立つ自分がいる。

そんな繰り返しを続けてきた結果、ボクはようやく分かりました。

インド人は倒す相手ではなく、共に格闘し続ける相手
なのだと。

確かに仕事では手強くて大嫌いな存在です。
けれど、街角で写真を撮れば最高の笑顔を見せてくれるのもまたインド人。
困っていれば手を差し伸べ、気がつけば友達になっているのもインド人。

嫌悪と愛着、その矛盾に振り回されながらも、ボクは今日も「インド人ってやっぱり手強い」と笑っている。
それこそが、20年という月日を戦い続けて分かったインドの姿なのです。

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