アジアを自由に飛び回るエスニック雑貨屋の面白仕入れ旅日記!

インドの仕入れはトラブルだらけ!バイヤー生活25年!!泣く←

エスニック雑貨屋の仕入先として最も難易度が高いのがインド。

タイを始めとする東南アジアの仕入れに比べると100万倍もしんどいのがインド。

もう二度とゴメンだ!と思いながらもやっぱり面白いのがインド。

ま。そう言う国なのですが今回も見事にトラブルだらけ。

コテンパです(泣)

インド仕入れのトラブル

インドのプシュカルで仕入れ

当店では秋冬物の仕入れはインドと決めています。

ニューデリーから西へ600キロ。

プシュカルというヒッピーライクな旅人が集まりバックパッカーの間からは「お買い物天国」と呼ばれる街です。

欧米系のバイヤーはよく見かけますが日本人の雑貨バイヤーはボクだけです。

今回もそのプシュカルにオーダーをしたのは良いけれどコレを書いているのは12月21日。

ブツは上がっているものの荷物がニューデリーから動きません。

もう年をまたいでしまいそうな気配。

オーダーしたのは3ヶ月も前のことだったでしょうか?

遅延とか遅れるとか言うレベルの話ではありませぬ(号泣)

今回の登場人物

インドの陽気なサドゥー達

今回はこうなる前から不穏な空気を感じていました。

インドを相手にした場合この「イヤな予感」と言うヤツは大体当たります。

登場人物は3人。

ボク。つまりガネーシャ。インチキ雑貨屋の店主56歳。

そして取引先のA店のクリシュナB店のハヌマーン。

インドが好き!という方にはヒンドゥー教の神様の名前でお馴染みですね。

それはそれは有名な3人の神様が揃った訳です!

何も起きないはずがありません←


ガネーシャはゾウの顔をした神様。これはご存知の方も多いでしょう。

次にA店のクリシュナはガネーシャと並びインドで人気の高い美男子の神様でお妃が16,000人もいたというとんでもないスケベで急所は足の裏となんだかカオスなヤローです。

B店のハヌマーンと言うのは猿の顔をした神様と言えば分かる方も多いかも。

このハヌマーンもまたマヌケでして果物と勘違いして太陽を取りに行き転落死と言う最後を辿っています。

むぅ。

登場人物だけで既に十分トラブルの気配。

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さざ波が立ち始めた納期押し

インドの野良ウシ

今回はA店のクリシュナを窓口としました。

送金や荷物の取りまとめ役です。

こう書くといかにも「しっかりしている頼りがいのあるヤツ」と言うイメージを持つ方も居るでしょうがとんでもございません。

彼は昨年とんでもないブツを上げて来た前科があります。

「頼んだものと全然違うデザインが届く。しかし数だけは合っている」

はい。これインドのオーダーあるあるです。

バイヤー初心者は泣いて下さい。

そんな事が起きないように今年は死ぬほどメッッセをやり取りしました。

オレはパーフェクトに終わらせたぜ!

クリシュナ様はなにやら自信満々のご様子。

ま。その時点で納期が2週間押してるんですけどね

忘れもしないフラグが立ったハヌマーン問題

リキシャで眠るリキシャマン

更に遅れること1週間。

B店のハヌマーンからメッセが飛んできました。

「オーダーが上がった」

たった一行です。ハローぐらい言いやがれ!

そして遅くなってごめんねとか無いのかい!!

そう思いませんか?このインド人め(笑)

お金はまとめてクリシュナに送る。

彼からお金を受け取って荷物をクリシュナのところに届けてくれ。

何の気なしにそうメッセージを返しました。

帰ってきた言葉がこちらです。



オレはクリシュナとは話さない←

なぜ?なぜなの?キミはどう言うつもりなの?

フラグが立った瞬間ですな。

ボクにはハッキリ見えました。

燃えるような真っ赤なフラグが。

なんでそうなるかな?と言う摩訶不思議が次々と起こるのがインド。

全てボクを通してコトを運ばなくてはなりません。

2人の店は300メートルと離れてないんですよ?

信じられますか?

お前ら喧嘩してる近所の小学生かよ!

その2人の間を伝書鳩のように飛び回るボクの現在位置はタイです。

そして襲いかかるクリシュナ問題

インドの通り

ハヌマーンからオーダー終了の報を受けて支払いと荷物の受け取りをクリシュナに頼み帰って来た答えがこちらになります。


「ハイ!ガネーシャ!今年もひと仕事終わったからボクは今1週間のホリデーを楽しんでるところさ」

 


オーマイガー!!





オーマイガーの正しい使い方です。

英会話が苦手な方は参考にして下さい。

どんどん遅れる納期と迫りくる日本の冬。

もうトコロテンを練り出すようにぐいぐいと納期が遅れます。

クリシュナが2週間押し。

さらにハヌマーンが1週間押し。

そのタイミングで取りまとめ役のクリシュナが1週間の旅行中。

ざっくり1ヶ月ですね。この時点で予定の1ヶ月遅れ。

「いや。まだ大丈夫」

10月末のこの時点でそう思っていたボクを殴り倒したいです。

なんて言い表わせば良いのかうまく言葉が見つかりません。

インドがボタンをひとつ掛け違えるとあらぬ方向に物事が進み始めます。

雑貨屋家業24年のボクなんかてんで歯が立たず立ちすくんで泣いている子供同然なのです。

クリシュナがプシュカルに戻る

上機嫌です。

もうオーダーの商品代金は全額受け取ってるしそのカネで旅行に行って来たと言う分かりやすい図式です。



ぶざけんなぼけぇぇぇぇええええぇ!



ココロでそう思っていても態度に出してはいけません。

へそを曲げられたらここまで耐え忍んできた努力が全て水の泡になる可能性があります。

インド人が一度へそを曲げると頑として動かないこともよく知っているのです。

えーと。旅行が楽しかったって?うんうん。そいつは良かった。ひと仕事終わった後の気分転換大事だよねね。そうそう。お疲れさん!

ぇ?

彼女と行ったの?良いじゃん良いじゃん!彼女も喜んでたんじゃないの?うん。で?ワインがなに?赤?彼女が酔っ払って??

うるせぇぼけぇぇぇぇええええぇぇぇええええぇぇ!

さっさと荷物送りやがれ!!!

インチキなカーゴ屋現る

クリシュナさー。そろそろ日本も冷えて来てもう冬なんだよ。

知ってるか?日本には季節が4つあってだな。

バンコクでもチェンマイでもネパールでもデリーでもここプシュカルでも。

何百回何千回と繰り返して来た話し。

なんなら去年も言ったよな!って話しをエンドレスで続けなければ荷物なんか届きません。


「もうカーゴ屋にとっくに届けたよ。4日後には日本さ。ボクもハッピー!オマエもこれでハッピーだろ?」



バカ言え。現物目の前にするまで信じられるか。




案の定。

クリシュナが友達だというカーゴ屋は一向に荷物を日本に出す気配なし。

何をどう聞いてもウソしか言わないの。

インド人は言い訳の天才です。

そういう時だけもの凄くスピーディーにアタマが回るようです。

「昨日の飛行機に乗ったから今日は日本だ」

「荷物は着いている。日本の税関の問題だ」

「フェデックスのシステムがダウンした」

「明日飛ぶから明後日には届く」


息を吐くようにウソをつきます。

どんなアタマの中なんだかかち割って見てみたい。ホントに。

口の中に手を突っ込んで舌を引き抜くエンマ様の気持ちが少しだけ分かります。

Fの付く汚い言葉を使い始める

インドのインディラ・ガンジー国際空港

やっと国際宅急便のフェデックス側で集荷が確認出来たのが12月の9日ですよ。

何がどうなってるのかニラニラの頂点に達しているボクはもうメッセでは耐えられず電話。

アパート中に響き渡る大声で怒鳴ります。


 凸(`Д´メ)Fぁぁぁぁぁあああああぁっく!



最初のFは下唇を軽く噛むんですよ!

どんな時でも発音に気を使うのがふ◯っくな紳士のマナーです←

乱暴に電話を切ると間髪を入れずメッセが飛んで来たのですが英語が誤字脱字だらけで慌ててるご様子(笑)

たまに怒るの超大事。しょっちゅう怒ったらダメ。

そして12月21日現在荷物はまだデリー

インドのメインバザールを走るリキシャ

もうダメっすね。

精も根も尽き果てたところに来て年末の物量が増える時期。

奇跡が起きない限りこの荷物は年を跨ぐでしょう。

中身は完全な冬物。

ボア付きのジャケットなどです。

お正月が明けたら冬物セールって始まる?

日本は色々早すぎるんだよなぁ。


違う!そうじゃない!!



インドが遅すぎるんだ!!!

ぐぬぬぬぬ。どうしてくれよう。

届いたらまたブログに起こすので優しい皆さん買って下さい。

ここは直球勝負です。

平身低頭お願いしたい所存。

ここまで想像を絶する物凄い苦労をしてるんです。

まだ届く気配すらないですが←

口割れした貨物が何故か南デリーで発見される

年の瀬も迫る12月29日。

なぜか荷物が南デリーのパンジャーブにあることが分かりました。

プシュカルのサプライヤーもそこから頼んだカーゴ屋もウソばかり。

もう誰も信用できない状態です。

こうなると頼りの綱は古くからの知り合いであるデリーのカーゴ屋。

長い年月を掛けて積み上げて来た信頼関係は伊達じゃありません。

彼らが荷物を見つけてくれたのです。

「なぜそうなったのか?」原因追求などしても誰も謝りもしないのでそんなことは後回し。

何しろ「冬物」の衣料品がぎっしり詰まった貨物を日本に届けるのが最優先です。

デリーのカーゴ屋が今荷物と払った送料の奪還に向けて動いてくれています。

絶対すんなり行かないシナリオであることは百も承知ですがそうしないと荷物は永遠に日本に届きませぬ(泣)

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