40度の灼熱、黙々と穴を掘る男が教えてくれたインドの逞しさ

インドはタフでエキサイティングな国だ。

日本から降り立った瞬間、そのエネルギーの違いに腰が引けるほど圧倒される。

街は混沌としながらも活気に満ち、人々の輪郭はクッキリと力強く、歩くだけでその生命力が伝わってくる。

土産物屋やゲストハウスが並ぶメインバザールを歩いていると、小さな渋滞ができていた。

何事かと思い近づいてみると、一人の男が道の真ん中で穴を掘っていた。

水道管か何かの工事だろう。

たったそれだけの光景なのに、ここがインドだと少しばかりのストーリーが生まれてしまう。

 

インドの路上で穴を掘る工事の青年

気温は40度をゆうに超えている。

男は汗を流しながら黙々と穴を掘り続ける。

リキシャの運転手から罵声が飛んでも、クラクションが容赦なく鳴り響いても、彼は手を止めない。

この仕事をやり切るしか生きる道はないのだろう。

腕二本だけで穴を掘り続けることが、彼の生活そのものを支えている。

エアコンの効いた部屋でテレビを眺めていると想像もつかないような過酷さ。

バザールの喧騒の中で汗を流すその姿に、インドという国の逞しさとリアルを垣間見た気がした。


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