「インド料理=全部辛い」というイメージは誤解です。
実際は旅行者でも食べやすい料理が多く、少しのコツで安心して楽しめます。
本記事では、ボクが20年以上の旅で実際に食べ歩いた体験をもとに、旅行者でも食べやすいインド料理の基準と、おすすめの12品。
日本と本場インドの違いをわかりやすく解説します。
旅行者でも食べやすい料理の基準とは?
辛さが控えめであること
トマトやバター、ヨーグルトを使った料理は、辛さがマイルドになりやすいです。注文時に「not spicy」や「mild」と伝えれば、さらに食べやすく調整してもらえます。
胃にやさしい調理法であること
煮込みや蒸し、スープ系などは油分が控えめで消化にやさしい傾向があります。体調を崩したときはダル(豆の煮込み)のような優しい一皿が安心です。
日本人に馴染みのある味・素材であること
小麦や米、鶏肉、じゃがいもなど馴染みのある素材は味の想像がしやすく、失敗が少ないです。日本の「炊き込みご飯」に近いプラオも入り口としておすすめです。
現地で入手しやすいこと
大都市や観光地、駅前の食堂などどこでも出会える料理は、旅程に左右されにくく頼りになります。屋台・食堂・レストランのどのレイヤーにも置かれる定番を押さえましょう。
旅行者が食べやすいインド料理12選
タンドリーチキン
ヨーグルトとスパイスに漬けてタンドール窯で香ばしく焼いた鶏肉。見た目ほど辛くなく、中辛程度で食べやすいのが特徴です。
バターチキンカレー
トマトとバターで仕上げる濃厚でクリーミーなカレー。辛さが抑えられており、初めてのインド料理に最適です。
ダル(豆カレー)
レンズ豆やひよこ豆を煮込んだ優しい味わいの定番。体調が気になる日や胃を休めたいときにも安心です。
サモサ
スパイス風味のポテトなどを詰めた三角形の揚げパイ。揚げたてなら外はカリッと中はホクホク、軽食や食べ歩きにぴったりです。
プラオ(インド風炊き込みご飯)
スパイスで香りづけしたご飯に野菜や肉を混ぜ込んだ一品。日本の炊き込みご飯に近く、味が想像しやすいのが魅力です。
パニールマサラ
インドのフレッシュチーズパニールを使ったマイルドなカレー。クセが少なくコクがあり、ベジタリアンにも人気です。
ロティ&ナン
小麦の主食は、全粒粉の薄焼きロティと窯焼きのナンが双璧。軽くて毎日の食事に馴染むのはロティ、リッチに味わうならナンです。
マトンカレー(マイルド)
羊肉の旨みが広がるコク深いカレー。辛さ調整ができる店なら「mild」指定でより食べやすくなります。
チャイ
濃い紅茶にミルクと砂糖、スパイスを加えた定番の温かい飲み物。疲れた体をやさしく癒し、食後の一杯にも最適です。
ラッシー
ヨーグルトベースの爽やかなドリンクで、プレーンやマンゴーが人気。辛い料理の合間に口をリセットするのに役立ちます。
チョウメン(Chowmein)
小麦麺を野菜や卵、鶏肉などと強火で炒めた屋台・食堂の定番。醤油系の旨みと軽いスパイスで、日本人にも馴染みやすい味。辛さは控えめ~中辛で調整可能です。
モモ(Momo)
ネパールやチベット由来の蒸し餃子。鶏や野菜の餡が多く、優しい味で食べやすい一品。辛いソース(アチャール)は別添が多いので、苦手なら「not spicy」で。
日本とインドのインド料理はここが違う
項目 | 日本のインド料理 | インド現地のインド料理 |
---|---|---|
主食 | ナン中心。カレーとのセットが定番 | ロティ/チャパティが日常食。ターリーが一般的 |
味付け | マイルドで甘め。とろみが強い傾向 | 香り・酸味・辛味のバランス重視で多彩 |
シェフ・経営 | 日本人向けのアレンジが多い | 地域差を反映した本場の味付け |
提供スタイル | 写真付きのセット中心で安心感 | 屋台〜高級店まで幅広く、食堂は格安 |
価格帯 | 中〜高価格帯(都市部中心) | ローカル食堂は数十円〜数百円で満腹 |
日本で定番のナンとカレーセット
日本では濃厚なカレーとナンのセットが「インド料理」の顔になっています。甘めでとろみのあるソースは安心感があり、初めてでも取り入れやすいスタイルです。
インド人の日常食はロティとターリー
現地の毎日の主食は全粒粉のロティや、米と副菜が並ぶターリーです。少しずつ多種類を味わえるので、旅行者も無理なく本場の味に触れられます。
味付けとスパイスの違い
日本は辛さ控えめ・甘さ重視のアレンジが主流です。本場は香りや酸味、辛味の立たせ方が地域や店によって多様で、奥行きのある風味が楽しめます。
提供スタイルと価格の違い
日本では写真付きメニューやセットが分かりやすく、価格は中〜高めです。現地は屋台からレストランまで選択肢が広く、食堂なら安くてお腹いっぱいになれます。
旅行者のための注文&食事のコツ
辛さを抑える注文の仕方
インド料理は店ごとに辛さの度合いが異なります。注文時に「not spicy」や「mild」と伝えるだけで、驚くほど食べやすくなります。
屋台では加熱済み料理を選ぶ
屋台は安くて魅力的ですが、衛生環境はさまざまです。揚げ物や炒め物など、加熱された料理を選べば安心して楽しめます。
水は必ずミネラルウォーターを購入
水道水は旅行者には不向きです。必ず封の開いていないペットボトルの水を買いましょう。氷入りの飲み物も避けるのが無難です。
生野菜は避ける
生野菜は現地の水で洗われていることが多く、お腹を壊す原因になります。サラダよりも加熱野菜や煮込みを選ぶのが安心です。
インドで快適に過ごすためには、食事だけでなく通信環境の準備も大切です。
SIMやeSIMを事前に手配しておくと、到着後すぐに安心して行動できます。
屋台 vs レストラン|どこで食べるのが安心?
屋台の魅力と注意点
屋台は安くて臨場感があり、サモサやチャイなどの軽食を楽しむには最適です。ただし混雑していて回転の早い屋台を選ぶのが鉄則です。
ローカル食堂のメリット
地元の人で賑わう食堂は価格が安く、出来立ての料理を提供してくれるためコスパ抜群です。旅行者でも利用しやすい場所です。
観光客向けレストランの安心感
清潔さとマイルドな味付けに配慮されているため、初めての旅行者には安心です。価格はやや高めですが快適に過ごせます。
インド料理の価格帯の目安
軽食・屋台料理(〜100円程度)
サモサやチャイなどは50〜100円程度で気軽に食べられます。ちょっとした小腹満たしに最適です。
ローカル食堂(100〜300円程度)
ダルやロティのセットは100〜300円程度。ボリュームもあり、旅行者にとってコスパ最高の食事です。
観光レストラン(500〜1,000円程度)
バターチキンやマトンカレーなどの人気メニューは観光客向けレストランで500〜1,000円ほど。清潔さと安心を買える価格帯です。
失敗しない注文フレーズ集
「not spicy」「mild」=辛さを抑える
料理をマイルドにしてほしいときの便利なフレーズです。初めての注文で役立ちます。
「without sugar」=砂糖抜き
チャイやラッシーは砂糖たっぷりが基本。甘さ控えめにしたいときにこの一言を添えましょう。
「bottled water」=ミネラルウォーター
必ずボトルの水を指定してください。水道水は避けるべきです。
「no ice」=氷なし
氷は現地の水で作られている可能性があるため、避けた方が安心です。
体験談|ボクが助けられたインド料理
ボク自身、インド旅行中に体調を崩して入院した経験があります。
万が一のときに旅行者にとっても参考になるはずです。
詳しくは別記事でも紹介しています。
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入院時に出された料理(全部カレーの衝撃)
インドで入院したとき、病院食がすべてカレーだったのには驚きました。ですが、ダルのような優しいカレーは回復の助けになりました。
体調を崩したときに食べやすかったダルスープ
食欲が落ちても口にできたのが豆のスープ「ダル」。栄養価も高く、旅人にとって安心感のある一品でした。
旅の疲れを癒したチャイの甘さ
長距離移動や市場歩きで疲れたとき、必ず飲んでいたのがチャイです。スパイスと甘さで心身ともにリフレッシュできました。
まとめ
インド料理は「全部辛い」というイメージに反して、旅行者でも食べやすい料理が豊富です。
や違いを知り、注文のコツや衛生面を押さえれば安心して楽しめます。
ナンやバターチキンだけでなく、ロティやターリー、ダルやチャイ、さらにチョウメンやモモなど“やさしい一品”を選べば、初めてのインドでも安心して食を楽しめるでしょう。
辛さは「not spicy」「mild」で調整し、加熱料理とミネラルウォーターを徹底すればリスクはぐっと下がります。
日本との違いを知り、注文のコツを押さえて、インドの旅をおいしい思い出に変えていきましょう。
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