「インドは呼ばれて行く場所」と旅人の間で語られることがあります。
しかし初心者が勢いだけで旅立つのは危険です。
旅行保険、体調チェック、歯の治療、そしてビザの取得――。
28年間アジアを旅するエスニックバイヤーであるボクの実体験をもとに、インドへ行く前に必ず準備しておきたいことを初心者向けにまとめました。
◆この記事でわかること
・インド旅行で必須の保険と注意点
・渡航前の体調・歯のメンテナンス
・ビザ取得の方法と選択肢
・初心者が安全に楽しむための準備まとめ
インド旅行に保険は必須
インドを旅するなら海外旅行傷害保険は必ず加入しましょう。
というのも、ボクは過去にデリーで原因不明の体調不良により入院し、4泊5日で27万円を請求された経験があります。
幸い保険に入っていたため全額カバーされ、日本語スタッフのサポートまで受けられました。
一方、バンコクで胃腸の不調から2週間入院したときは保険未加入で57万円を自腹で支払うことに…。
思わぬアクシデントに対応できるかどうかは、保険の有無にかかっています。
初心者が無保険でインドに行くのは、自殺行為に近いとすら言えるでしょう。
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海外にいながら保険加入できる?
日本の保険は日本国内にいる間にしか契約できない仕組みです。
ボクもタイに滞在中は「リタイアメントビザ」では加入できず、一度日本に戻る必要がありました。
つまり、初心者がインドに行くなら必ず帰国時に保険に加入しておくことが重要です。
クレジットカード付帯保険もありますが、補償額や対応範囲が限られます。
長期滞在や初心者には十分とは言えません。
必ず専用の旅行保険を契約してください。
渡航前に体調を整える
インドでは水や食事が日本と大きく異なり、体調を崩す人が多いです。
特に長期滞在を考えている人は、出発前にしっかり体調を整えましょう。
持病のチェックと検査
ボクは糖尿病を抱えています。網膜剥離による失明リスクを避けるため、眼科検査を受け、胃カメラなどの検査も済ませました。
結果、糖尿病の指標であるHbA1cは8.3から6.7へ改善。
出発前に検査を受け、安心して旅に出られる状態にしておくのは初心者にも大切な準備です。
予防接種も検討する
インド旅行では、A型肝炎、破傷風、狂犬病などの予防接種を推奨する医師もいます。
初心者はかかりつけ医に相談し、必要に応じて接種しておくと安心です。
生活習慣で体力をつける
インドでは市場や観光地を歩き回るため、体力が求められます。
ボクの場合、タイの生活で毎日市場を歩き回ったことが自然と運動になり、健康改善につながりました。
初心者は普段から歩く習慣をつけ、体を慣らしておくと現地で楽になります。
食事を楽しむために歯の治療を
インド旅の基本は「食べること」です。体力は食事から補われます。
しかし歯のトラブルで食べられなくなると旅が一気につらくなります。
ボクはバンコクでお菓子を食べたときに銀歯が取れてしまい、そのまま放置。
後に歯医者で「根管治療が必要」と言われました。
海外で治療すると費用は15万円ほど。日本に帰国して治療したところ、1回380円で済んだのです。
日本の健康保険制度のありがたさを痛感しました。
日本で済ませておくべき理由
海外では歯科治療費が高額で、言葉の壁もあります。
初心者は必ず日本で治療を済ませ、安心してインドへ向かいましょう。
虫歯や詰め物の不具合は出発前に必ずチェック。
歯が痛くて食べられない旅ほど悲しいものはありません。
ビザを取得する
インド入国にはビザの取得が必須です。
現在はオンライン申請やアライバルビザの選択肢があります。
オンライン申請
公式サイトから申請可能ですが、入力項目が多く時間がかかります。
途中で心が折れそうになるほど。初心者は時間に余裕を持って準備してください。
申請にはパスポート写真データや宿泊先情報も必要です。
あらかじめ用意しておくとスムーズに進みます。
アライバルビザ
一部の空港では到着時に「アライバルビザ」を申請できます。
申請料は約3,500円で、手続き自体は難しくありません。
ただし英語でのやり取りが必要になります。
初めての方は事前にオンライン申請を選んだ方が安心です。
インド旅行準備チェックリスト
初心者の方は、以下のリストを確認しながら準備を進めましょう。
・海外旅行保険に加入したか
・健康診断や必要な検査を済ませたか
・予防接種を検討・実施したか
・虫歯や歯のトラブルを治療したか
・ビザをオンラインで申請済みか
・パスポートの残存期間を確認したか
・現地通貨やクレジットカードを準備したか
・スマホやWi-Fi環境を整えたか
・緊急連絡先を家族に共有したか
特に現地での通信環境の確保は命綱になります。
渡航前にしっかり検討しておきましょう。
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まとめ:初心者がインドを楽しむために
日本からインドまでは直行便で約9時間半。
距離も文化も大きく異なる国です。
準備を怠ると、到着直後から体調を崩し「デリー病」と呼ばれるような症状に悩まされることもあります。
微熱が続き、下痢で動けず、安宿の天井のファンを見つめるだけで数日を無駄にする――これは初心者にありがちな失敗です。
インドはエネルギッシュでエキサイティングな国です。
保険加入・体調管理・歯の治療・ビザ取得の4つを確実に行えば、その魅力を全身で楽しむことができます。
準備こそが、初心者にとって最大の武器です。
しっかり整えてインドの大地に立ちましょう。
よくある質問
インド旅行で保険は必要?
A. はい。数日の入院で数十万円かかることもあるため必須です。補償内容を比較し、携行品や救援費用までカバーできる保険を選びましょう。
初心者でもアライバルビザを利用できる?
A. 英語に不安がある方はオンライン申請がおすすめです。慣れている人や短期滞在者はアライバルビザでも対応できます。
歯の治療は出発前にすべき?
A. はい。食べられないと体力が落ちて旅を楽しめません。詰め物や親知らずも含め、出発前に歯科検診を受けておきましょう。
予防接種は必須?
A. 義務ではありませんが、A型肝炎や破傷風は受けておくと安心です。長期滞在予定なら狂犬病ワクチンも検討してください。
SIMカードやWi-Fiはどう準備する?
A. 空港でSIMを購入するか、日本で海外Wi-Fiをレンタルしていく方法があります。初心者は事前に用意しておく方が安心です。
→ 初めての方はインド旅行の治安ガイドも参考にしてください。
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