「タイ移住って、物価が安くて南国ライフが楽しめそう!」
そんなイメージを持っていませんか?
実際、ボクもそう思っていました。最初は。
でも、20年以上タイと関わり、実際に長期滞在もしてみた結果――見えてきたのは、「楽園」の裏側にある現実でした。
為替の変動で物価は上昇、言葉の壁は分厚く、医療費は思った以上に高額。
さらに空気もキレイとは言えず、日本の田舎のほうがずっと健康的に暮らせるかもしれません。
この記事では「タイ移住で後悔しないために知っておきたい5つの落とし穴」について、実体験をもとにお話しします。
タイ移住を本気で考えている方は、どうぞ最後までご覧ください。
「タイ=物価が安い」そう思っていませんか?実は今、円安と現地インフレの影響で、タイ旅行中に驚くほど出費がかさむケースが増えています。例えばこんな場面・朝食カフェで軽く1,000円超え・コーヒー1杯が日本と同じ500円・観光地[…]
タイ移住をオススメしない5つの理由

タイバーツが高い
タイバーツは通貨の単位が細かいことから割安のイメージがありますが、この記事を書いている2025年7月の現在のレートは1タイバーツが約4.6円とバーツ高円安傾向が続いています。
例えば2000年のレートを見返してみると、1タイバーツは2.69円と全く状況が異なります。
日本円で1万円を両替した場合。
2000年当時は3,717バーツになりましたが現在のレートでは2,180バーツとその差は1,537バーツもあります
10万円では15,370バーツ。
100万円では153,700バーツもの差があるのです。
この為替の差益を考慮していない記事は全く当てになりません。
100万円を両界した際の金額は、タイでは大金になります。
為替は常に動いているので、またいつ円高バーツ安になるのか分かりませんが、ボクが見ている限りここ数年はこのまま円安バーツ高で推移すると予想されます。
例えばタイの一番高額な紙幣1,000バーツ札の価値は、日本円に換算すると以前は2,800円程の価値でしたが現在は4,600円と恐ろしい円安バーツ高です。
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物価は思ったほど安くない

タイは物価が安いと言うのが定説のようになっていますが、それは「一般のタイ人と同じ暮らしをすれば」の一言がすっぽりと抜けてしまっています。
タイの大卒の初任給の平均は15,000バーツ(約68,500円)となっているので、その収入でやりくり出来て初めて物価が安いと言えます
しかし日本と変わらないようなサービスや食を求めるとなると突然物価が上がります。
上記の写真は細々とした日本の調味料などを買い求めた際のものですが、あっさり7,000円を超えます。
食費に関してはタイ人と同じ一食50バーツ〜100バーツ(約230円〜460円)程度のタイ料理を食べていれば確かに安く上がるかも知れませんが、日本食を食べるとなると日本以上に食費が嵩むことを忘れてはいけません。
言葉の問題
タイ語も英語も全く話せずとも暮らしていけますが、例えばちょっとした公的な届けや些細なトラブルなど必ず言葉が必要になる時があります。
またバンコクは比較的英語が通じやすいですが、チェンマイなど地方都市に行くと殆どがタイ語のみと思って間違いありません。
様々な場面や状況によって英語もしくはタイ語が必要になります。
その都度日本人向けのサービスを使えば高額ですし、通訳を雇うにもそもそも意思の疎通が難しければそれもままなりません。
医療費が高額
タイで医者にかかるのはお金がかかります。
ボクは胃の不調で2週間近く入院したことがありますが、60万円程の請求が来ました。
外国人が入れる医療保険でまぁまぁ平均的だと思われるもので1年15万〜20万程度の保険料です。
ボクは糖尿病を患っていることから医者にかからなければなりませんが、1ヶ月の薬代で5万円の請求があり驚きました。
タイは日本と違い通常処方箋が無いと手に入らないような薬でも町中の薬局で買うことが出来ます。
例えば糖尿病には無くてはならないインスリンの注射器なども薬局で買うことが出来て、病院代の数分の一で済ませています。
こうした既往症がある方。
または健康面に不安がある方は、それだけで高額な出費になることも考えなければなりません。
空気の悪さと残留農薬問題
特にバンコクは大気汚染が酷く、PM2.5により学校が臨時休校になることも。
バンコクの渋滞とともに、高層ビルが霞んで見えるような大気汚染も歓迎できないバンコクの名物となりつつあります。
また中国産の輸入野菜などに付着する残留農薬も大きな問題となっており、少々値段が高くてもオーガニック表示のある野菜を選んだり食べる前に十分流水に晒すなどの気遣いも必要です。
日本の田舎暮らしの方が良いのではないか?

ここまで上げて来た「タイ移住をおすすめしない5つの理由」を踏まえると、ボク個人の意見としては日本の田舎暮らしの方がずっと良いように思えます。
同じ日本国内ですから為替の心配はなくなります。
物価は田舎に行けば行くほど土地代が下がるので、自然と毎月の生活費も安く済むでしょう。
もちろんどこに行っても日本語が通じるので言葉の心配もありません。
医療費においては日本の優秀な健康保険制度のお陰でその恩恵は計り知れません。
大気汚染や残留薬物の問題も無くなります。
それでもタイ移住を考えている方へ

とは言え東南アジアの緩い風が吹くタイが大好きで「やっぱりタイに移住したい!」とお考えの方へ準備するべき心構えを書いて見たいと思います。
以前ほど割安感は無くなったタイ移住ですが、人によってはここまで上げて来たデメリット以上にメリットを感じるのもタイの魅力です。
ボクも20年を超えるタイとの付き合いがあるので、その気持も十分に理解出来ます。
それではタイ移住を考える際に押さえて置かなければならないポイントを幾つか書いてみます。
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ビザの問題
以前は「ビザラン」と言って隣国のラオスやカンボジアへ一旦出国し、ツーリストビザを取り直す長期滞在者が大勢いました。
しかし現在はそう言った「ビザラン」を繰り返していると、入国時にチャックされ「次回入国時は正式にビザを取る様に」とイミグレーションで指導されたり入国を拒否される場合もあります。
この「ビザラン」と呼ばれる方法でタイに長期滞在する外国人が社会問題となったため、ビザランを取り締まる法律が2014年に出来ています。
タイ移住を考えている方は尚の事正式な長期滞在用のビザを必ず取得しましょう。
タイランドエリート
50歳以下の方であれば、タイランドエリートの会員になり最長20年までのビザが発行されます。
一番短いものでは5年。入会金は60万バーツ(約275万円)と良いお値段ですが、リムジンでの送迎や空港での専用ラウンジ。
また銀行口座の開設や90日レポートと呼ばれる、面倒な手続きなどを代行してくれると言うメリットもあります。
50歳以下でお金に余裕のある方は、タイランドエリートに入会するのが一番手っ取り早くビザを取得出来きます。
EDビザ(学生ビザ)
50歳以下で次に考えられるのは、EDビザと呼ばれる学生ビザです。
タイ語学校や英会話学校で取得出来るので、語学を学びながら長期滞在したいという方にはピッタリのビザです。
しかし長くても1年程度の更新となるため注意が必要です。
リタイヤメントビザ
こちらは50歳以上の方限定となる1年間のビザです。
50歳以上の外国人が取得できる一番簡単なビザなので、年齢が50歳を超えている場合はリタイヤメントビザ一択と言っても良いでしょう。
その他のビザ
その他に就労ビザや配偶者ビザ。
また富裕層をターゲットにしたビザなどがありますが、一般的にボクの周りでは上記3つのビザのどれかを取得してタイ移住または長期滞在している方がほとんどです。
言葉の問題
タイでは全く英語もタイ語も話さずに暮らしている方がいます。
人によると思いますが、言葉が出来なくても「そう言うものだ」と思ってしまえば多少の不便は我慢できます。
しかし、ある程度年齢が行った方はあまり良い思いをしないのでは無いでしょうか?
国が変われば文化も習慣も全てが変わります。
例えば英語は愚か自国の言葉さえ話さないと言った外国人が、あなたの周りに住んでいたとしたら、それが年上の方であっても敬意を払い付き合うのは難しいでしょう。
出来れば関わり合いを持ちたくないと思うのが、正直なところではないでしょうか?
第一関わり合いを持つにも、言葉が通じなければコミュニケーションさえ取れません。
タイ人は基本的に優しい人が多いですが、個人主義が強く厄介事には進んで関わろうとはしません。
揉め事を極端に嫌う国民性があります。
もしあなたが英語もタイ語も覚えるつもりもなく、タイに移住しようと考えているのであれば「ほほ笑みの国タイランド」と呼ばれるその微笑みの下に隠れている本当の素顔に気づかなければなりません。
慣れない外国暮らしにおいて孤立するのは避けたいものですが、かと言ってタイの日本人の狭い村社会に属するのであれば、それこそ日本の田舎暮らしの方がずっと快適でしょう。
タイ移住の第一歩は「タイ語学校に通う」ぐらいの気持ちが無いと後々後悔することになります。
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