タイ移住について書かれているブログが沢山ありますがそう言った記事を読む場合注意しなければならないのは記事の更新日です。
現在はタイバーツが強く円安傾向にあり更新日時が古いものは記事内容が全く現在にそぐわないと言った場合も多々あります。
1タイバーツが3.5円付近で高止まりして久しいですが今後以前のようにタイバーツが安くなる材料は今の所見当たりません。
ボクはエスニック雑貨店を経営していることからタイとの付き合いは20年を超えコロナ禍の現在帰国難民としてバンコクとチェンマイを行ったり来たりしながら滞在が2年を超えました。
それではタイ移住に付いてのボクなりの考えを書いて行きますのでどうぞ最後までお付き合い下さいませ。
タイ移住をオススメしない5つの理由
タイバーツが高い
タイバーツは通貨の単位が細かいことから割安のイメージがありますがこの記事を書いている2022年2月12日現在のレートは1タイバーツが3.52円とバーツ高円安傾向が続いています。
例えば2000年のレートを見返してみると1タイバーツは2.69円と全く状況が異なります。
日本円で1万円を両替した場合。
2000年当時は3,717バーツになりましたが現在のレートでは2,840バーツとその差は877バーツもあります。
10万円では8,770バーツ。
100万円では87,700バーツもの差があるのです。
冒頭にも書きましたがこの為替の差益を考慮していない記事は全く当てになりません。
87,700バーツと言う金額はワンルームの安めのコンドミニアムであれば1年分の家賃に相当します。
為替は常に動いていますのでまたいつ円高バーツ安になるのか分かりませんがボクが見ている限りここ数年はこのままバーツ高で推移すると予想されます。
例えばタイの一番高額な紙幣1,000バーツ札支払う場合その紙幣は日本円に換算すると以前は2,800円程の価値でしたが現在は3,500円と実に25%もタイバーツが高くなっているのです。
物価は思ったほど安くない
タイは物価が安いと言うのが定説のようになっていますがそれは「一般のタイ人と同じ暮らしをすれば」の一言がすっぽりと抜けてしまっています。
タイの大卒の初任給の平均は15,000バーツ(約52,900円)となっているのでその収入でやりくり出来て初めて物価が安いと言えます
しかし日本と変わらないようなサービスや食を求めるとなると突然物価が上がります。
上記の写真は細々とした日本の調味料などを買い求めた際のものですがあっさり5,000円を超えます。
食費に関してはタイ人と同じ一食50バーツ〜100バーツ(約170円〜350円)程度のタイ料理を食べていれば確かに安く上がるかも知れませんが日本食を食べるとなると日本以上に食費が嵩むことを忘れてはいけません。
言葉の問題
タイ語も英語も全く話せずとも暮らしていけますが例えばちょっとした公的な届けや些細なトラブルなど必ず言葉が必要になる時があります。
またバンコクは比較的英語が通じやすいですがチェンマイなど地方都市に行くと殆どがタイ語のみと思って間違いありません。
様々な場面や状況によって英語もしくはタイ語が必要になります。
その都度日本人向けのサービスを使えば高額ですし通訳を雇うにもそもそも意思の疎通が難しければそれもままなりません。
医療費が高額
タイで医者にかかるのはお金がかかります。
ボクは胃の不調で2週間近く入院したことがありますが60万円程の請求が来ました。
外国人が入れる医療保険でまぁまぁ平均的だと思われるもので1年15万〜20万程度の保険料です。
ボクは糖尿病を患っていることから医者にかからなければなりませんが1ヶ月の薬代で5万円の請求があり驚きました。
タイは日本と違い通常処方箋が無いと手に入らないような薬でも町中の薬局で買うことが出来ます。
例えば糖尿病には無くてはならないインスリンの注射器なども薬局で買うことが出来て病院代の数分の一で済ませています。
こうした既往症がある方。
または健康面に不安がある方はそれだけで高額な出費になることも考えなければなりません。
空気の悪さと残留農薬問題
特にバンコクは大気汚染が酷くPM2.5により学校が臨時休校になることも。
バンコクの渋滞とともに高層ビルが霞んで見えるような大気汚染も歓迎できないバンコクの名物となりつつあります。
また中国産の輸入野菜などに付着する残留農薬も大きな問題となっており少々値段が高くてもオーガニック表示のある野菜を選んだり食べる前に十分流水に晒すなどの気遣いも必要です。
日本の田舎暮らしの方が良いのではないか?
ここまで上げて来た「タイ移住をおすすめしない5つの理由」を踏まえるとボク個人の意見としては日本の田舎暮らしの方がずっと良いように思えます。
同じ日本国内ですから為替の心配はなくなります。
物価は田舎に行けば行くほど土地代が下がるので自然と毎月の生活費も安く済むでしょう。
もちろんどこに行っても日本語が通じるので言葉の心配もありません。
医療費においては日本の優秀な健康保険制度のお陰でその恩恵は計り知れません。
大気汚染や残留薬物の問題も無くなります。
それでもタイ移住を考えている方へ
とは言え東南アジアの緩い風が吹くタイが大好きで「やっぱりタイに移住したい!」とお考えの方へ準備するべき心構えを書いて見たいと思います。
以前ほど割安感は無くなったタイ移住ですが人によってはここまで上げて来たデメリット以上にメリットを感じるのもタイの魅力です。
ボクも20年を超えるタイとの付き合いがあるのでその気持も十分に理解出来ます。
それではタイ移住を考える際に押さえて置かなければならないポイントを幾つか書いてみます。
ビザの問題
以前は「ビザラン」と言って隣国のラオスやカンボジアへ一旦出国し30日のツーリストビザを取り直す長期滞在者が大勢いました。
しかし現在はそう言った「ビザラン」を繰り返していると入国時にチャックされ「次回入国時は正式にビザを取る様に」とイミグレーションで指導されたり入国を拒否される場合もあります。
この「ビザラン」と呼ばれる方法でタイに長期滞在する外国人が社会問題となったためビザランを取り締まる法律が2014年に出来ています。
タイ移住を考えている方は尚の事正式な長期滞在用のビザを必ず取得しましょう。
タイランドエリート
50歳以下の方であればタイランドエリートの会員になれば最長20年までのビザが発行されます。
一番短いものでは5年。入会金は60万バーツ(約210万円)と良いお値段ですがリムジンでの送迎や空港での専用ラウンジ。
また銀行口座の開設や90日レポートと呼ばれる面倒な手続きなどを代行してくれると言うメリットもあるので50歳以下でお金に余裕のある方はタイランドエリートに入会するのが一番手っ取り早くビザを取得出来きます。
EDビザ(学生ビザ)
50歳以下で次に考えられるのはEDビザと呼ばれる学生ビザです。
タイ語学校や英会話学校で取得出来るので語学を学びながら長期滞在したいという方にはピッタリのビザです。
しかし長くても1年程度の更新となるため注意が必要です。
リタイヤメントビザ
こちらは50歳以上の方限定となる1年間のビザです。
50歳以上の外国人が取得できる一番簡単なビザなので年齢が50歳を超えている場合はリタイヤメントビザ一択と言っても良いでしょう。
その他のビザ
その他に就労ビザや配偶者ビザ。
また富裕層をターゲットにしたビザなどがありますが一般的にボクの周りでは上記3つのビザのどれかを取得してタイ移住または長期滞在している方がほとんどです。
言葉の問題
タイでは全く英語もタイ語も話さずに暮らしている方がいます。
人によると思いますが言葉が出来なくても「そう言うものだ」と思ってしまえば多少の不便は我慢できますがある程度年齢が行った方はあまり良い思いをしないのでは無いでしょうか?
国が変われば文化も習慣も全てが変わります。
例えば英語は愚か自国の言葉さえ話さないと言った外国人があなたの周りに住んでいたとしたらそれが年上の方であっても敬意を払い付き合うのは難しいでしょう。
出来れば関わり合いを持ちたくないと思うのが正直なところではないでしょうか?
第一関わり合いを持つにも言葉が通じなければコミュニケーションさえ取れません。
タイ人は基本的に優しい人が多いですが個人主義が強く厄介事には進んで関わろうとはしません。
揉め事を極端に嫌う国民性があります。
もしあなたが英語もタイ語も覚えるつもりもなくタイに移住しようと考えているのであれば「ほほ笑みの国タイランド」と呼ばれるその微笑みの下に隠れている本当の素顔に気づかなければなりません。
慣れない外国暮らしにおいて孤立するのは避けたいものですがかと言ってタイの日本人の狭い村社会に属するのであればそれこそ日本の田舎暮らしの方がずっと快適でしょう。
タイ移住の第一歩は「タイ語学校に通う」ぐらいの気持ちが無いと後々後悔することになります。
ボクはエスニック雑貨屋を26年経営しておりずっとタイに通っていることから一般の方よりずっとタイとの繋がりが深いです。今までは長くて1ヶ月程度。年に4〜5回ほどの滞在でした。しかしコロナの影響でタイへの入国が難しくなったこともありそ[…]