カオサン通りは「バックパッカーの聖地」として、世界中の旅行者に知られるスポットです。
2025年現在、コロナ禍で人影が消えた時期を乗り越え、完全復活を遂げました。
ボクはエスニック雑貨のバイヤーとして30年近くアジアを行き来し、カオサン通りから徒歩10分のアパートを拠点に暮らしています。
そんな視点から、最新の雰囲気・夜の盛り上がり・治安と注意点を現地生活者ならではの目線で解説します。
これから訪れる方は、準備と心構えの参考にしてください。
カオサン通りの現在|2025年の空気感
昼は観光客と屋台で賑わい、夜は音楽とネオンが重低音で街を包みます。
歩道は整備され、装飾も増え、写真映えするスポットが随所にあります。
一方で、にぎわいが戻ったことで小さなトラブルも再び目立つようになりました。
油断せずに楽しむ意識が重要です。
時間帯別の様子とベストタイム
訪問時間によって雰囲気が大きく変わります。旅程づくりの参考にしてください。
・午後〜夕方:散策や屋台食べ歩きに最適。治安面の不安も少なめ
・20時〜24時:最も賑やかな時間。スリや置き引きに注意
・深夜帯:酔客が増えトラブルあり。帰路は配車アプリ推奨
治安の概況と前提
観光地としての整備や巡回の強化で、全体感としては、以前より安心して歩ける印象です。
ただし「安全になった=無防備で良い」ではありません。
カオサンは世界中の旅人が交差点。
スリや置き引きといった軽犯罪のリスクは常にあります。
基本の自衛を習慣化し、未然にトラブルを回避しましょう。
夜のカオサン通り|注意すべき具体ポイント
夜は楽しい反面、トラブル要素も増えます。
発生しやすいケースを具体的に把握しておきましょう。
スリ・置き引き
人混みでのスマホ・財布の盗難が最も一般的です。
カメラを構える時こそ狙われやすいので注意。
・バッグは前に。ジッパーは必ず閉める
・後ろポケットにスマホや財布を入れない
・貴重品は絶対に身体から離さない
ボクは足元に置いたバッグから、わずか3秒で5,000ドルを盗まれました。
それ以来、貴重品は常に身に付けて管理と決めています。
客引き・不透明なバー
「無料一杯」「スペシャル」「ショーあり」などの誘い文句は、後から高額請求につながる火種になりがち。
メニューや料金の明示がない店舗は避けるのが無難です。
・ドリンクの価格・サービス料・税の有無を確認
・レシートは必ずもらう(言った言わないを避ける)
・迷ったら有名店へ。混み具合は安全性の目安
写真撮影の「親切」
「撮ってあげる」と言われて渡したスマホが戻らなかった、撮影料を請求された、という報告があります。
善意の提案に見えても、知らない相手に高価品を預けないのが原則です。
・自撮り棒やインカメラで代替する。知らない人にスマホを預けない
・動物との撮影にも注意。料金トラブルの例あり
違法・危険な物品や行為
見た目が軽い雰囲気でも、違法・有害な物品は確実に存在します。
誘われても断固として関わらない判断が身を守ります。
・電子タバコの所持・使用はタイで処罰対象
・ドラッグ関連は当然NG。所持・使用は重い処罰
・体調に影響しうる気体・ガス類の吸入もトラブルの元
屋台・グルメ|お腹を守りつつ楽しむコツ
カオサンの醍醐味は屋台食。
選び方次第で満足度も安心感も大きく変わります。
・加熱調理を最優先。焼きたて・揚げたてなど
・氷入りドリンクや生野菜など「水」に注意
・食当たり備えに整腸剤・胃腸薬を携行
両替・支払い・ATMの基本
支払い回りのミスは旅の満足度を下げます。
想定できるポイントを事前に知っておきましょう。
・クレジットカード+少額現金の併用が現実的
・ATM引き出しは「手数料+為替」で実質コストが変わる
・怪しい両替所は使わない。領収書は必ず受け取る
アクセスと移動|安全・快適の具体策
カオサンは鉄道駅から離れているため、アクセス選択が重要です。
・空港からはタクシー/エアポートバス利用が快適
・中心部からは配車アプリ、バス、ボートなど併用
・夜の徒歩移動は大通り優先。裏通りは避ける
・配車アプリは情報が残るため安全
周辺エリアの歩き方
カオサン通りだけでなく、徒歩圏にも魅力的なスポットが集まっています。
治安を意識しつつ広げてみましょう。
・ランブトゥリー通り:カオサンより落ち着いたバーやカフェが多い
・プラアーティット通り:川沿いのカフェやレストラン
・王宮・ワットポー方面:日中の観光セットに。服装規定に注意
女性のひとり旅|安全度を上げる細部
ひとり旅は自由度が高い一方で、危険度もアップ。
小さな積み重ねが安全を大きく変えます。
・夜は明るい通りと人の多い店を選ぶ。路地の細い通りは避ける
・帰路は配車アプリでドア・トゥ・ドア。徒歩区間を最短に
・飲み物は自分で受け取り、目を離さない。飲みきってからトイレへ
・宿はレビューで「立地・静けさ・セキュリティ」を重視
禁酒日・イベント・季節要因
タイの祝祭日や仏教行事では「ドライデー」と言ってアルコール販売が制限されることがあります。
夜の雰囲気や営業状況が通常と異なる場合があるので、渡航時期の行事を事前に確認しましょう。
4月のソンクラン(水かけ祭り)はカオサン一帯が一日中びしょ濡れモードになります。
防水・貴重品の保護は最大レベルで。
法令・マナー|やってはいけないこと
国や文化の違いから、うっかり法令違反になる行動もあります。
以下は特に注意が必要です。
・電子タバコの所持・使用は処罰対象になり得る
・公共の場での無許可ドローン飛行は避ける
・寺院での過度な露出や騒音はNG。服装・行動に敬意を払う
緊急時の備えと連絡先
トラブルは起きた時にどう動くかで被害の大きさが変わります。最小限の準備を。
・パスポートの顔写真ページを紙コピー+クラウド保存
・スマホに現地の緊急番号、宿の電話、保険のコールセンターを登録
・支払いトラブル時はレシート・明細・店の外観写真が証拠になる
宿選びの指針|騒がしさと安眠のトレードオフ
カオサン中心に泊まるほど「アクセス最高・睡眠は不利」になりがち。自分の優先度で選びましょう。
・夜遊び重視なら中心近く。耳栓・アイマスク必須
・睡眠重視ならカオサンから1〜2本離れた通りへ
・セーフティボックスは信用しない
持ち物最適化|小さく軽く、でも抜かりなく
安全のバランスを取る装備が、歩きやすさと安心感を生みます。
・セキュリティポーチ(パスポート・カード・現金の分散)
・常備薬(整腸剤、鎮痛剤、絆創膏)
・モバイルバッテリー(夜の帰路の命綱)
・旅行保険の証券番号と連絡先(スクショ+紙控え)
海外旅行の持ち物リストを詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
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モデルコース例|初夜は肩慣らし、二夜目で全開
いきなり深夜まで遊ぶより、少しずつ慣れる方が安全です。
・初日:屋台で軽食 → 人気バーで1〜2杯 → 24時前に帰宿。
・二日目:食事後にバー/クラブ → ピーク帯(22〜24時)を体験 → 配車アプリで帰宿。
・最終夜:お気に入り再訪 → お土産は早めに購入 → 夜は手ぶらで。
まとめ|カオサン通りは楽しむと守るを同時に
カオサン通りは2025年、かつての熱気を完全に取り戻しました。
歩くだけで旅心がくすぐられる一方、人混みの裏では小さな落とし穴も。
安全性は、準備と習慣で大きく引き上げられます。
・前掛け管理・分散携行・配車アプリ・深夜は慎重。
・違法・危険な誘いはスルー。レシートと記録を残す。
・水と休息をこまめに。体調管理が最高の防犯です。
基本を守れば、昼も夜もカオサンは最高の舞台になります。
自分のペースで、安心して、思い切り楽しんでください。
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