タイの治安は大丈夫?旅行者必読の安全対策と最新情報

「タイは治安が悪いの?」

初めて旅行を考えている方や、バックパッカーとして東南アジアを回ろうと思っている方にとって、とても気になるポイントだと思います。

確かにニュースやSNSでは、スリや詐欺、歓楽街でのトラブルなどが取り上げられることが多く、不安に感じるのは自然なことです。

しかし実際のタイは、準備さえすれば安心して旅を楽しめる国です。

私自身、20年以上タイを旅してきましたが、大きな危険に巻き込まれたことはありません。

大切なのは「リスクを知り、対策をしておくこと」。それが一番の安全策です。

◆この記事でわかること
・タイ全体の治安傾向
・旅行者が遭遇しやすいトラブルと回避方法
・バンコク・チェンマイ・プーケットなど都市別の治安事情
・女性旅行者が気をつけたいポイント
・実際のトラブル体験談
・安心して旅をするためのチェックリスト

この記事を読み終えれば、「タイは危険ではない。

正しく準備すれば快適に旅を楽しめる」と思えるはずです。

 

タイ全体の治安傾向

ナンバー付きのタイのトゥクトゥクのアップ

都市部と地方の違い

タイの大都市バンコクは観光客が多く集まるため、スリや詐欺のリスクが相対的に高いです。

一方、チェンマイや田舎の村では人が穏やかで、治安面で安心できるケースも少なくありません。

つまり「タイ全土が危険」なのではなく、都市ごとにリスクの種類が異なるのです。

昼と夜で変わる街の雰囲気

昼間のバンコクは観光客と地元の人で活気にあふれています。

しかし夜になると歓楽街では酔客や客引きが増え、スリやぼったくりのトラブルも発生しやすくなります。

特に深夜の一人歩きや、人気のない路地には注意が必要です。

旅行者が狙われやすい場所

・スワンナプーム空港やドンムアン空港
・バンコクのカオサン通り
・プーケットやパタヤの歓楽街
・寺院周辺や王宮前広場

これらの場所は旅行者が多く、観光地価格や詐欺トークも横行しています。

相手から「声をかけてくる人は無視」くらいの気持ちでちょうどいいでしょう。

犯罪統計と安全レベル

店のシャッターが閉まったカオサンロード

外務省の危険情報

外務省の情報では、タイ全土の大部分は「レベル1:十分注意」

つまり「行ってはいけない国」ではありません。

ただし南部の国境地帯(マレーシアとの国境付近)は治安が不安定なため、レベル3(渡航中止勧告)が出ることもあります。

バンコク首都圏の特徴

バンコクは観光都市として世界的に人気ですが、そのぶん軽犯罪の件数も多い地域です。

・スリ
・置き引き
・タクシーやトゥクトゥクでの料金トラブル

特に旅行者は狙われやすいので注意しましょう。

公共交通機関のBTSやMRTでは混雑時にスリが多発するため、バッグは必ず前掛けにしてください。

国際比較(UNODC統計)

国連薬物犯罪事務所のデータによれば、タイの殺人率や凶悪犯罪発生率は中南米ほど高くはありません。

むしろ「軽犯罪が多い観光国」といった位置づけです。

観光客が巻き込まれるのは財布やスマホを狙う窃盗が中心で、命の危険に直結する事件はまれです。

旅行者が遭遇しやすいトラブル事例

バンコクの中華街ヤワラーの人混み

空港・駅でのトラブル

空港や駅では「高額タクシー」や「不要なツアー勧誘」が定番。到着直後は疲れて判断力が落ちやすいため、Grabなどの配車アプリを利用するのが安全です。

スワンナプーム空港ではメーターを使わず高額請求するタクシーがいまだに存在します。

観光地でのトラブル

有名寺院や観光地では「今日は閉まっている」と嘘をついて別の場所へ連れて行き、土産物屋に誘導される手口があります。

王宮やワット・プラケオ周辺では特に有名な手口なので注意が必要です。

街歩き・移動中のトラブル

・人混みでのスリ
・ナイトマーケットでの置き引き
・料金をふっかけるトゥクトゥク
・歓楽街での客引きによる高額請求

こうしたものは日常的にあります。対策は「事前に相場を知る」ことと「アプリで料金を固定する」ことです。

タイは観光警察もあり、困ったら1155に電話すれば英語対応してもらえます。

水・食事・健康リスク

バンコクのカオサンロード近くの屋台街

水道水と飲み物の注意点

タイの水道水はそのまま飲めません。必ずペットボトルの水を購入し、封が開いていないか確認してください。

屋台で出される氷は水道水から作られている場合が多いので避けた方が無難です。

屋台やレストランでの衛生リスク

タイ屋台は安くて美味しいですが、当たり外れが大きいです。

・火を通した料理
・揚げたての串焼きや炒め物

を選ぶと比較的安心です。生野菜のサラダやカットフルーツは避けるのが無難でしょう。

旅行者下痢を防ぐ方法

・アルコール消毒をこまめにする
・最初の数日は刺激の少ない料理を選ぶ
・整腸剤や経口補水液を常備する
・長距離移動の日は消化にやさしい食事を選ぶ

都市別の治安と注意点

夜のカオサンロードの風景

バンコクの治安

歓楽街(カオサン通り、ナナ、パッポン)では客引きやスリが多発。

夜間の女性の一人歩きは避けましょう。

ソンクラン(水かけ祭り)の時期は街全体が水浸しになり、財布やスマホを盗まれるリスクも増します。防水ケースは必須です。

チェンマイの治安

比較的落ち着いている都市ですが、ナイトマーケット周辺では置き引きが発生します。

旧市街の小道は夜になると人通りが少なくなるため、徒歩での移動は控える方が無難です。

ロイクラトンやイーペン祭りの時期は観光客でごった返すため、スリのリスクが高まります。

アユタヤの治安

観光地での「偽ガイド」に注意。

ガイドが必要な場合、公式チケット売り場で依頼するのが安心です。

自転車やバイクでの観光時は交通量が多く、事故に注意してください。

遺跡巡りに夢中になって荷物を置きっぱなしにすると、置き引きに遭うこともあります。

プーケットの治安

歓楽街での客引き、タクシー料金トラブルが多い地域です。

深夜のビーチは避けましょう。

飲み物に異物を入れられるケースもあるため、ドリンクは必ず目の届く場所に置いてください。

パトンビーチ周辺ではスリやひったくりも頻発しています。

パタヤの治安

ナイトライフの街として有名。

スリ・ぼったくり・ドラッグ勧誘などのリスクがあります。

ショーやクラブで法外な料金を請求されるトラブルも報告されています。

夜遊びに出るなら必ず複数人で行動し、現金などの貴重品は最低限で。

サムイ島の治安

リゾート地として比較的安全。

ただしレンタルバイクの事故や盗難が多いので注意。

レンタル時には写真を撮って傷の有無を確認しておくと安心です。

夜のビーチでは観光客を狙った置き引きが発生することもあります。

クラビの治安

自然豊かな観光地で比較的安全ですが、ビーチでの置き引きには要注意です。

島巡りツアーでは荷物を船に置いたままにせず、最低限の荷物で参加しましょう。

観光客が少ないエリアではタクシーの数が限られるため、帰りの足を事前に確保するのが安心です。

イサーン地方の治安

のどかな雰囲気ですが、夜間の移動は避けるのが無難です。

観光客が少ないため、交通手段の確保を事前にしておきましょう。

農村部では犬に吠えられることも多いので、夜道は特に注意してください。

国境エリアの治安

カンボジア・ミャンマー国境付近では違法取引やトラブルもあるため、初心者旅行者は立ち入らない方が安心です。

特にポイペト国境ではカジノや金銭トラブルの話が多いです。

国境越えの際は必ず公式イミグレーションを通過しましょう。

インドの治安が気になる方は下記の記事で。

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女性旅行者が気をつけたいこと

チェンマイの美しい首長族の女性

服装と立ち居振る舞い

露出が多い服装は避け、寺院では肩や膝を隠すことが必須です。

僧侶に女性が直接触れることはタブーとされているため、記念撮影の際も距離を保ちましょう。

現地の文化を尊重した服装は安心感を高めるだけでなく、地元の人からの好意的な対応にもつながります。

夜間移動と声かけ対応

夜間の一人歩きは危険。

どうしても必要ならGrabで移動しましょう。

しつこい声かけには曖昧にせず、はっきり断ること。

人通りのあるエリアを選ぶのが基本です。

ホテルに戻る前に必ず飲み物を購入し、寄り道を減らすのも安全につながります。

安全なホテル選び

レビューで「女性旅行者の評価」がある宿を選ぶと安心です。

スクンビットエリアのホテルはアクセスが良く安心度も高めです。

チェンマイでは旧市街の北側やニマンヘミン地区が女性一人旅に人気です。

体験談|タイで実際に遭遇したトラブル

バンコクの路上で眠るホームレス

スリ・置き引き

ボクは仕入れ旅で様々な国を歩きますが、一番モノを盗られているのはバンコクです。

旅行で訪れる方は本当に気をつけて下さい。

魔法のように物がなくなります。

現金5,000ドル(約74万円)

タイに入った次の日です。レートが良いと評判のスーパーリッチで日本円をタイバーツに両替しました。

その後、シルバーの仕入れに行ったビルのフードコートでご飯をひとくち食べた瞬間、バッグが消えていました。

両替所を出てくる人間は大金を持っていることを周囲に知られています。

詐欺グループは一日中でも後をつけ、隙ができた一瞬を決して逃しません。

チャトチャック・マーケットのスリ

チャトチャック・マーケットもスリや置き引きが多く発生しています。

混雑するエリアでのこと。

ぎゅうぎゅうと後ろから押され、気づけばバッグのチャックを開けられ、現金3万バーツ(約14万円)が消えていました。

バッグは決して後ろに回さず、必ず前がけを心がけて下さい。

食あたりでの病院体験

屋台のシーフードにあたり、夜中に激しい腹痛と嘔吐で病院に運ばれました。

海外旅行保険に加入していたので診察費や薬代はカバーされ、通訳サービスも受けられ助かりました。

体調を崩すと旅の楽しみは一気に奪われるので、食べ物には十分注意してください。

バンコクの私立病院は清潔で医療水準も高く、日本語デスクがある病院もあります。

緊急時の対応と連絡先

カオサンロードの深夜のバーの盛り上がり具合

緊急番号

・警察:191
・救急車:1669
・観光警察:1155(英語対応可)

大使館・総領事館

在タイ日本国大使館(バンコク)、チェンマイ・プーケットの領事事務所を活用しましょう。外務省の「たびレジ」に登録すれば最新情報も受け取れます。

行動フロー

1. まず安全を確保する
2. ホテルや現地スタッフに相談する
3. 大使館・警察・保険会社に連絡する
4. 領収書や診断書を保管する

安全に旅を楽しむための最終チェックリスト

バンコクの街を屋台を押して歩くオトコの後ろ姿

何よりも大事なことは通信回線の確保です。

タイは空港で簡単にSIMカードが購入できるので、必ず購入して下さい。

また、旅行保険も安心して旅行を楽しむためにマストです。

・SIMやeSIMを準備する
・Grabなど配車アプリを活用する
・財布やスマホは分散して持つ
・夜間の一人歩きを避ける
・海外旅行保険に加入する
・整腸剤や経口補水液を常備する
・寺院や王宮では服装ルールを守る

最新の治安トピック

タイ・バンコクの夕暮れ時

渡航前には必ず外務省「海外安全情報」や「たびレジ」で最新情報を確認してください。

ソンクラン(4月の水かけ祭り)ではスマホや財布が水没・盗難に遭うケースが多いため、防水対策が必須です。

また、政治デモや集会がバンコク中心部で行われることもあり、巻き込まれないよう近づかないようにしてください。

乾季は観光客が集中し、雨季は道路冠水で移動が困難になることもあります。

タイの治安情報まとめ

バンコクの路地のドリンク屋台

タイは「危険な国」ではありません。旅行者が遭遇するのはスリやぼったくりなど、注意すれば避けられる軽犯罪が中心です。

リスクを知り、準備して行動するだけで、旅の安心度は大きく変わります。バンコクの賑わい、チェンマイの古都の落ち着き、プーケットのビーチ。どれも安全に楽しめる素晴らしい場所です。

不安を正しく理解し、しっかり対策を整えたうえで、タイの魅力を思う存分楽しんでください。

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