最近はスマホのカメラも進化してずい分と画質が良くなりました。
海外旅行に重たい一眼レフカメラを持っていくのはもはや時代遅れなのかもしれません。
しかし一眼レフカメラでしか撮れない写真というのは確実にあります。
折角の海外旅行。
スマホのカメラで済ませるか写真に特化したちゃんとしたカメラを別に持って行くか?
お悩みの方がいらっしゃるのではないでしょうか?
今回はアジアを縦横無尽に旅するボクなりの海外旅行でのカメラと写真について書いてみます。
海外旅行の撮影はスマホで十分なのか?
・軽量でコンパクトなので持ち運びが楽。
・どこでも気軽に取れるので人の目が気にならない。
・撮ったその場でSNSにアップ出来る。
・カメラ以外にもマップや和訳など全て1台で済む。
【スマホのデメリット】
・暗い場所やズームに弱く背景のボケが作り辛い。
・簡単に撮影出来ることからどうでも良い写真を撮りがち。
・大勢の人がスマホで写真を撮るため似たような写真が多い。
海外旅行での写真撮影をスマホで撮る場合のメリットとデメリットです。
結論から言うと海外の思い出にちょっとしたスナップ写真を撮るにはスマホで十分です。
しかし「自分にとって最高の写真」または「思わず他人に見せたくなる写真」を撮りたいとなれば話は別。
スマホの写真の画質が上がったことでほとんどの方が海外旅行でもスマホで写真を撮っています。
スマホで撮る写真はお手軽なのでただの記録写真になりがち。
そして誰でも簡単に撮れるので枚数も増えがち。
これでは「良い写真」とは程遠いただの記録写真でデータがパンパンになるだけ。
そして似たようなアングルの写真が多くなりインスタグラムなどを見ていても「どこかで見たような写真」が量産されています。
日本とは街並みや風景が全く違う海外。
自分だけのとっておきの1枚や誰かに見せたくなるような写真を撮りたいものです。
それでは重たいデジタル一眼レフカメラを持っていく場合のメリットとデメリットも考えてみましょう。
デジタル一眼レフカメラのメリットとデメリット
・レンズの交換が出来るので様々な画角の写真撮影が可能。
・暗所に強く撮影時間や場所を選ばない。
・被写体をしっかり見て撮るので良い写真が撮れる。
・現像ソフトで思い通りの写真に編集できる。
【デジタル一眼レフカメラのデメリット】
・重くてかさばり荷物が増える。
・人の目を集めやすく海外では撮影に気を使う。
・高価なので盗難や破損の心配がある。
・被写体がカメラを意識するので自然な表情が撮りにくい。
デジタル一眼レフカメラのカメラの最大のデメリットがその重さと大きさです。
フルサイズ機ともなればボディとレンズを合わせると2キロ程度と中々の重量。
冒頭にも書きましたがボクは仕入れ旅の間ずっと右手にデジタル一眼レフカメラを持って歩いています。
重たいフルサイズのカメラを1日中ぶら下げて歩く訳ですから正直に書くとウンザリすることもしばしば(笑)
肩にかけることはあってもバッグに入れることはしません。
ココロが動いた一瞬を切り取ることが出来るのが一眼レフカメラです。
目に写ったものを素早く撮影するためには常にカメラをぶら下げていないとダメなのです。
写真の編集はデジタル一眼レフカメラの最大のメリット
デジタル一眼レフカメラを使う最大のメリットがLightroom(ライトルーム)やLuminer(ルミナー)といった写真編集ソフトでの現像です。
保存形式がJPEG(ジェーペグ)ではなくてRAW (ロー)というファイル形式になります。
一見露出に失敗したと思われるボツ写真もRAWファイルを現像すると見違えるように仕上がります。
露出に失敗した写真の現像
バンコクのチャイナタウン。
日陰になった屋台は露出に失敗し暗い写真に。
若干のトリミングと露出補正。
それにカラーの調整をすると暗く沈んでいた部分が生き返ります。
RAWファイルでは黒く潰れている部分にもしっかりとデータが残っているので現像で救うことが出来るのです。
これがスマホのようなJPEG形式にないデジタル一眼レフカメラの最大のメリットです。
コントラストが低めのぼんやりした写真
インドを旅するバックパッカーが集まるメインバザール。
全体的にメリハリのない平凡な写真です。
露出と彩度を調整しクッキリと現像してみました。
現像前に比べるとまるで違う仕上がりのクッキリとした写真になりました。
自分のイメージに近づける現像
サリーを着た路上の掃除をする女性。
もうもうと舞い上がる土埃のなかでボクの目にはサリーがとても鮮やかに写りました。
自分がその時感じたイメージに近づけた現像です。
この現像と言う作業がスマホにはないデジタル一眼ならではの面白さです。
海外旅行で自分だけが感じたココロが動いた瞬間を表現出来るのが一眼レフカメラでスマホのカメラとはまるで別物なのです。
オススメの写真現像ソフト
写真の現像は定番のAdobeのLightroom Classicをメイン使っています。
そしてLightroom Classicに連携出来るLuminer AIと言う現像ソフトも使用しています。
Luminer AIはそのソフト名からも分かるようにAIが搭載されていてこれが非常に便利。
Luminer AIで背景を整理しながら現像
ニューデリー駅で一人列車を待つ黒人男性の寂しそうな後ろ姿。
それを切り取りたくてシャッターを押しましたがあいにく被写体以外にも人が写り込んでいます。
Luminer AIを使い他の人を消してみました。
写り込んだ人が居なくなるだけで写真のイメージがガラッと変わります。
どちらも同じ写真現像ソフトですが先ずは定番のLightroom Classicを。
現像に慣れてきたらLuminer AIと連携させて使うと便利です。
アジアを歩くバイヤーオススメのカメラとレンズ
仕入れの傍ら趣味で写真を撮っているので本格的な機材は持ち歩きません。
何しろ移動が多いので少しでも荷物を少なく身軽にするのが大事なのです。
ボディはCanonの世界最軽量フルサイズデジタル一眼レフでもあるEOS6Dがメインです。
ボクは初代の6DですがMark2が出ているので予算があればそちらをオススメします。
レンズはEF17-40mm F4L USMの広角ズーム。
設計は古いですがCanonのフルサイズ対応広角ズームでは最軽量のレンズです。
アジアの路地裏写真からポートレイトまでこれ一本で何でも撮ります。
海外に持ち出すカメラは中古と言う選択もあり
アジアの街。特にインドなどを旅しながら写真を撮るとホコリにまみれてカメラが真っ白になるほど。
新品のピカピカのカメラなどを持ち込むと無残な姿に(笑)
他にも旅の最中の盗難や破損と言ったトラブルも考えられます。
コンデジですが実際ボクもバンコクで盗難にあっています。
特にスペックを気にするハイアマチュア以上の方でなければ中古での購入を考えても良いでしょう。
ボクの広角ズームEF17-40mmも中古で購入し問題なく使えています。
Canon EOS 6D 中古のボディ
ボクと同じCanon EOS 6Dの中古のボディです。
スペック的には十分でひとつ前の型になるので価格もこなれています。
新品のEOS 6D Mark2の三分の一程度の予算で済むのは魅力です。
世界最軽量のデジタル一眼レフカメラでありボクも長年愛用していることから価格面を重視している方にはおすすめ出来るカメラです。
難点はAF(オートフォーカス)が9点とやはり最近のカメラよりは多少落見劣りします。
しかし中央1点でピントを合わせカメラを振ると言うボクの撮影スタイルだと全く問題ありません。
広角ズームレンズも中古でOK
ボクが愛用している広角ズームレンズCanon EF-17-40mm F4L USMの中古です。
狭い路地の多いアジアの街では広角レンズが大活躍します。
またズーム側も40mmまであるのでポートレイトも撮れます。
そして28cmまで寄れる接写力に防塵・防滴構造とくればこれ以上の旅レンズは見つかりませんでした。
実はもう少し明るいCanon EF 16-35mm F2.8L USMⅢと最後まで悩みましたが重さで圧倒的に不利でした。
機材が重くなることにより持ち出す機会が減ってしまうのは本末転倒です。
参考までそれぞれの重量の比較です。
※475g+755g(6Dボディ)=1,230g
・Canon EF16-35mm F2.8L USMⅢ(790g)
※790g+755g(6Dボディ)=1,545g
カタログスペックから求めた総重量での差は300gです。
冒頭でも書きましたがボクは仕入れ旅の最中常に右手にカメラをぶら下げています。
撮りたい瞬間に肝心のカメラがバッグの中ではまるで意味がありません。
そうして旅の間ずっと右手に持つことを考えるとこの300gの差は非常に大きいのです。
したがってボクは世界最軽量フルサイズカメラのCanon EOS 6Dと広角ズームレンズEF17-40mm F4L USMの組み合わせを選びました。
どちらも未だに現役で大切な仕入れ旅の相棒です。
海外旅行期間だけカメラをレンタル
わざわざ高額なカメラを買わなくてもレンタルすると言う選択肢もあります。
また既にカメラを持っていて行き先により広角レンズで撮りたいがレンズが無いと言った場合もあるでしょう。
そういった時に便利なのもレンズのレンタルです。
気になるレンズはあるけど高額で迷っている方も買って失敗する前にレンタルで試し撮りがおすすめです。
ボクの海外旅行での写真の撮り方
海外で仕入れの合間に撮る主な被写体は路地裏と人です。
「路地」ってそこに住む人達用の生活道路なんですよね。
細々とした毎日の暮らしが行き交うアジアの路地裏。たまりません。
例えばそんな路地によそ者が入り込むとすれば郵便屋とか何かのデリバリーだとか。
よそ者が紛れ込むと直ぐに分かるのが路地裏の特徴とも言えます。
どこに行ってもそんな路地をウロウロして写真を撮る訳ですが結構気を使っていたりします。
観光地じゃないですからね。
よそ者と直ぐにマーキングされる上にカメラを構えてる姿勢というかシルエットってそんな生活空間の中だともの凄い異物に見える訳ですよ。
撮ってる本人は中々気づきませんけど。
常用している広角ズームにフードを付けるとまぁまぁ迫力があっていかにも一眼レフカメラです的な主張をする見た目になります。
例えば縁側でのんびりと日向ぼっこしているところに「オマエどっから入り込んで来た?」みたいな外国人が突然デカイカメラを構えてあなたの写真を撮り出したらどう思いますか?
その人が例えニコニコ笑っていても良い感じは受けないですよね?
相手に圧迫感や不快感を与えたら路地裏に入り込む資格無しだとボクは思っていて出来るだけ目立たないようにレンズフードなども使わない派です。
少しでもステルス性能を上げると言うか気配を消して場に馴染むと言うか。
カメラを構えてることに対してまわりの視線が集まるようではまだまだだなと思っています。
盗撮したいと言う意味ではありませんのでお間違えなく(笑)
画像はインドの路地裏のちょっとした広場。
近所の子供達が遊んでいたのでじゃれ合いながら写真を撮りました。
もちろんヒマな大人もお喋りを楽しんでいたり子供達を見守っていたり。
思い思いの時間を過ごす憩いの場的な感じとでも言いましょうか。
そんな場所で辺り構わずカメラを振り回したりしてはいけません。
先ずは場所に馴染むこと。
のんびりと屋台のチャイでも飲みながら傍らに座っていると必ず子供の方から寄ってきます。
特にインド人は大人も子供も好奇心が旺盛。
回りで見守る大人達ともアイコンタクトは欠かさず目が合えば笑顔を返すのを忘れてはいけません。
できれば一言二言。
周りの大人達と言葉を交わして置くと更に良いです。
こうして撮影許可を探りながら場に馴染んでいくのです。
路地裏はそこに住む住人たちの生活の場だという事を忘れずに。
ずかずかと土足で上がり込み自分勝手にカメラを振り回していては良い写真なんか撮れっこないのです。
バックパッカーの聖地と呼ばれるバンコクのカオサンロードの路地裏。
手下に足を揉ませながら悠々とタバコを吸っている見事な後ろ姿のオトコが目に入りました。
しばらくその大きな背中と入れ墨を眺めながらタバコを一本。
もちろん相手はボクに気づいていません。
黙っていても撮れる写真ですがそこはボクのルールが許さないので当然一言声をかけます。
見事な入れ墨だな。写真を撮ってもいいか?
オトコは振り向くこともなく左手を上げ人差し指を2度くいっと曲げて見せました。
「かまわねーよ。好きにしな」
ボクの中でそう和訳された人差し指のジェスチャー。
2度ほどシャッターを押して礼を告げその場を立ち去りました。
海外で写真を撮るということ
例えばボクがよく通うインドでは写真を撮っていい場所とダメな場所があります。
インドはパキスタンと戦時下の国。
空港や地下鉄の駅などは撮影が禁止されていて写真を撮っていると機関銃をぶら下げた軍人に注意されることもあります。
郷に入れば郷に従え。
その国独自の文化やルールを尊重し撮影を楽しみましょう。
そして人物を特定できる写真の場合は許可を撮りましょう。
カメラをひょいっと持ち上げて相手に見せれば写真がNGな人はハッキリNOと言って来ます。
日本でもそうですが写されても良い部分と写されると嫌な部分が必ずあります。
そこを見極めながらシャッターを押すのが礼儀というもの。
これは何も一眼レフカメラだけではなくスマホで撮影する際も同じです。
海外旅行での撮影はテンションが上がり周りが見えなくなりがち。
最低限のマナーを守り楽しい思い出の写真を沢山撮りましょう。
ボクはエスニック雑貨バイヤーと言う仕事柄仕入れでアジアの街を縦横無尽に歩きます。完全な趣味ではありますがアジアの写真を撮るのが好きで仕入れ旅の間中右手にデジタル一眼レフカメラをぶら下げています。アジアの人々の屈託のない笑顔や薄暗く[…]