日本のカフェやコンビニでもすっかり定番となったガパオライス。
しかし実は「ガパオライス」という呼び方は本場タイでは通じません。
本記事では、ガパオライスとは何か、本場タイとの違いやカロリー、日本で楽しむ方法までをたっぷりお届けします。
ガパオライスとは?
ガパオライスとは、ご飯の上に炒めた具材をのせた日本独自の呼び方です。
本場タイでは「パット・ガパオ(ผัดกะเพรา)」と呼ばれ、ガパオ=ホーリーバジルを意味します。
豚肉ならガパオ・ムー、鶏肉ならガパオ・ガイというように、《具材名を添えて注文》するのが正解です。
ガパオライスの由来と歴史
タイでは庶民に愛される定番料理として親しまれてきたパット・ガパオ。
日本では1990年代のエスニックブームをきっかけに広まり、今ではコンビニ弁当やレストランでも見かけるようになりました。
「エスニック料理といえばガパオライス」と言えるほど、日本人に浸透した背景には、手軽さとスパイシーな風味がマッチしたことにあります。
本場タイと日本のガパオライスの違い
本場タイと日本では、味や呼び方にいくつか違いがあります。
代表的なポイントを表にまとめました。
項目 | 本場タイ | 日本 |
---|---|---|
呼び方 | ガパオ+具材名(例:ガパオ・ムー) | ガパオライス |
辛さ | 唐辛子多めでかなり辛い | マイルド寄り |
調味料 | プリックナンプラーやナンプラーを多用 | オイスターソースで甘め |
こうした違いを知って食べ比べると、それぞれの良さをより深く楽しめます。
病院食にも出るガパオライス
ガパオライスは、タイの病院食にも登場するほど日常的な料理です。
バンコクで入院したとき、病院食として出てきたのもガパオライスでした。
病院食は消化の良さや栄養バランスだけでなく、患者が食べ慣れていることも重視されます。
つまり、病院で出る=日常のど真ん中にある=国民食レベルというわけです。
ガパオライスのカロリーと栄養
一般的な豚ひき肉のガパオライス1食は600〜800kcal前後です。
・ご飯の量を調整すればカロリーを抑えられる
・ホーリーバジルは抗酸化作用があるとされ、健康にも良い
・高タンパクで糖質控えめのアレンジも可能
ダイエット中でも工夫すれば楽しめる料理です。
日本で楽しむガパオライス
ガパオライスは日本でも様々な場所で食べられます。
・コンビニ弁当(セブン・ローソン・ファミマなどで定期的に発売)
・タイ料理専門店(本場の味を再現したメニューが多い)
・レトルト食品や調味料(プリックナンプラーを常備すれば再現度アップ)
家庭で簡単に作れるレトルトやの素もあり、手軽に本格的な味を楽しめます。
ガパオライスの具材バリエーション
ガパオライスは本場タイでは、具材によって名前が変わるのが特徴です。
最もポピュラーなのは豚ひき肉の「ガパオ・ムー」ですが、他にも多彩なバリエーションがあります。
・ガパオ・ガイ(鶏肉)
・ガパオ・ヌア(牛肉)
・ガパオ・クン(エビ)
・ガパオ・タレー(シーフードミックス)
お店によってはアヒル肉やイカなどを使った変わり種もあり、食材が変わると風味や食感も大きく変わります。
好みの具材を選べるのも、ガパオライスの大きな魅力です。
本場タイでの価格と屋台文化
タイではとても庶民的な料理で、ローカル屋台や食堂で気軽に食べられます。
一般的な価格帯は以下の通りです。
・ローカル屋台:50〜60バーツ(約230〜280円)
・観光地のレストラン:100〜150バーツ(約450〜690円)
・高級レストラン:200バーツ以上(約900円〜)
安いからといって味が劣るわけではなく、地元の人が通う屋台はむしろ味のレベルが高い店が多いです。
昼時には制服姿の学生や会社員が列を作る光景も日常的に見られます。
日本で人気になった背景
日本でガパオライスが広まったのは1990年代後半のエスニックブームがきっかけでした。
その後、タイ料理専門店やカフェが増えたことで「カフェごはん」の定番として定着しました。
最近ではコンビニや大手弁当チェーンも定期的に販売しており、
レトルトや冷凍食品、調理ソースなどの市販品も豊富に出回っています。
手軽に楽しめるエスニック料理として、若年層を中心に根強い人気を保っています。
本格的な味を再現するコツ
日本で作るときに、《本場の風味に近づけるコツ》は調味料にあります。
・ナンプラー(魚醤)で独特のうま味を出す
・プリックナンプラー(唐辛子入りナンプラー)を添えて味変
・ホーリーバジルを使う(なければスイートバジルでも可)
味付けをやや濃いめに仕上げ、半熟の目玉焼きを添えると一気に本格的になります。
辛さは唐辛子の量で調整できるので、《初めて作る場合は少なめ》から始めるのがおすすめです。
調理時間の目安
タイの屋台のおばちゃんの手元を見ていると、とにかく手際がものすごく早いです。
具材を入れてから完成まで、3分とかかりません。
手早く強火で炒めるのも、本場のガパオらしさを再現する大切なポイントです。
ガパオライスの食べ方(概要)
「混ぜるのが正解?それとも混ぜない?」と悩む人は多いですが、結論は自由。
卵を崩してご飯と混ぜる人もいれば、交互に食べる人もいます。
食べ方の詳しい解説や本場マナーはこちらの記事をご覧ください。
まとめ|ガパオライスは奥深いタイの国民食
ガパオライスは、日本でも本場タイでも愛される庶民の味。
違いや背景を知ると、もっと楽しく味わえる料理になります。
旅行で屋台を巡るのもよし、日本で手軽に楽しむのもよし。
ガパオライスの奥深さに触れて、食卓や旅の楽しみを広げてみてください。
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